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南の風が吹くとき

シロクマ文芸部の企画参加作品

まえがき

風には、不思議な力があります。
ふとした瞬間に、忘れていた景色や匂い、
あの頃の自分まで運んできてくれる。

今日は、そんな「南の風」にのって、
ゆっくりと記憶をたどるお話です。


南の風が吹くとき

ゆっくりと昇った坂道。
学校への近道に登る道は、
頂上にたどり着くと町が見えた。
小さい頃は大きく見えた町が、
今はとても小さく、
そして、さみしく見える。

ゆっくりと昇った坂道は、
今はもうなく、面影だけを探してる。
友だちと遊んだ空き地。
木の上に作った秘密基地。

南の風にのって思い出す風景は、
ぼんやりとしていて、それでも消えない。

南の風が吹く時、
忘れていた思い出や顔が
一緒に浮かんでくる。

ゆっくりと…
今日も南の風を待っている。


イラスト:ChatGPT

あとがき

大人になると、前に進むことばかりを考えてしまうけれど、
ときには立ち止まって、振り返る時間も大切なんだと思います。

思い出は、遠くに行ってしまったようで、
本当はずっと、心の中に残っているもの。

南の風が吹くたびに、
あなたにも、やさしい記憶が届きますように。

シロクマ文芸部のお題に書かせて頂きました。
お題をありがとうございます。


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