サンプルは君だ
毎週ショートショートnoteの企画参加作品
まえがき
展示会のお題「サンプル便座」から生まれたショートストーリー。
今回は、サラリーマンの悲喜こもごもと、少しズレた妻の助言が織りなす小さな騒動です。
本文「サンプルは君だ」
僕は売れないサラリーマン。
部長から「今度の展示会でサンプル便座を必ず成功させろ」と、ほぼ最後通告のような命令を受けた。断れるはずがない。
妻に言うと、
「あなたがサンプルになればいいじゃない」
と平然と言ってきた。
僕がサンプル?
「そうよ。サンプル便座の気持ちになるの。人の気持ちじゃなくて、便座よ」
……妻は前から思考がズレている。
とはいえ、妻は会社の社長だ。誰も知らないけれど。
僕は展示会で、とりあえずサンプル便座になってみた。
「いらっしゃい! この便座はお尻だけじゃない、心も温めます。寒いトイレにおひとつどうですか?」
……いや、これはどこでも言っている。
「いらっしゃい! 便座と思いきや便座じゃない。それは家に置いた時にわかります!」
お、サンプル感が出てきた。
そこへ部長が現れ、突然言った。
「サンプルは君だ」
え…
(355字)

あとがき(ChatGPT)
ラストの“え…”で物語がふっと止まる感じが、読者の想像を広げてくれると思います。
短い中に人物像がしっかり浮かぶ、みかんさんらしいユーモア作品です。
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