ルミナ姫と巨大な猫
🍊第56回 3つのお題(ファンタジー)
🎈お題①:「巨大な本の上で眠る猫」
🐾お題②:「花びらの舟」
⏳お題③:「ガラスの城と白い鳥」
お題④イラストから空想した世界を書いて下さい。
まえがき
巨大な本の上で眠る一匹の猫。
花びらの舟に乗る姫。
ガラスの城を舞う白い鳥。
三つのお題から、一つの物語が生まれました。
どうぞ、ページをめくるような気持ちでお楽しみください。
第1話 巨大な本の上で眠る猫
「起こさないで。あの猫を起こすと大変なことになっちゃうから。」
本の中の住人たちは、足音を立てないように、本の外へと飛び出していきました。
「いいか。今から、わしらの姫を救出に行くのじゃ。」
「姫はどこに?」
「ガラスの城。別名、月雫の城へ囚われておる。」
「なぜ、そんな所へ?」
「その話をすると、あの猫、ルーナが起きてしまう。さぁ、皆のもの参るぞ。」

第2話 花びらの舟
ルミナ姫は、花びらの湖へ小さな舟を浮かべました。
月雫の城までは、あと少し。
白い鳥に見つからないようにしなければなりません。
襲われれば命はありません。
花びらの舟は小さく、本物の花びらのように湖を漂います。
その時、一羽の白い鳥がルミナ姫の頭上へ舞い降りました。
「見つかったのかしら……。」
その瞬間。
一筋の矢が風を切って飛んできます。
「ルミナ姫、ご無事でしたか。」
駆けつけたのは、忠実な家来たちでした。
「そなたたち、どうやってここへ?」
「巨大な本の上で眠る猫、ルーナが眠っている間に脱出しました。」
「さぁ、もうすぐ月雫の城の入り口です。」

第3話 ガラスの城と白い鳥
裏門へ続く長い蔦を登り、一行は城の中へ入りました。
白い鳥たちは兵士の姿となり、一斉に襲いかかります。
「ルミナ姫、ここは私たちにお任せください。どうか王様のもとへ!」
「ええ。必ず戻ります。」
ルミナ姫は城の奥深くにある地下牢へ急ぎました。
「父上!」
牢の中には、王様が囚われていました。
「ルミナ姫、来てはならぬ。命を落とすぞ。」
「いいえ。帰る時は一緒です。」
牢の鍵を開け、王様を助け出したその時でした。
家来たちは全員、敵に捕らえられてしまいます。
「これはこれは、ルミナ姫。」
城主は静かに笑いました。
「あなたが私の妻となるなら、王も家来も無事に返しましょう。」
家来たちは叫びます。
「姫! 私たちに情けは無用です!」
しかしルミナ姫は微笑みました。
「それほど簡単なことなら、お受けいたしましょう。」
そして王様の耳元で、そっと何かをささやいたのです。
王様は家来たちとともに、月雫の城を後にしました。

第4話 ルーナの目覚め
月雫の城を出た王様は、家来たちを見回しました。
「一番足の速い者は誰だ。」
「私です!」
「ならば頼みがある。
巨大な本の上で眠る猫、ルーナへ伝言を届けてくれ。」
兵士はうなずき、光のような速さで駆け出しました。
ルミナ姫の祝言が始まる、その前に。
第5話 ルミナ姫の祝言
月雫の城では、祝言の支度が整っていました。
ルミナ姫は静かに席へ着きます。
結婚の証となる杯を口に運ぼうとした、その瞬間――。
大きな影が現れました。
巨大な猫、ルーナです。
ルーナはルミナ姫をそっとくわえると、一気に走り去りました。
「追えーー!」
兵士たちは必死に追いかけます。
しかし、ルーナの姿はどこにもありません。
城主は怒りに震えます。
「だましたな!
今すぐルミナ姫を連れ戻せ!」
第6話 巨大な本の上で眠る猫
月雫の城の城主は、世界の果ての果てまでルミナ姫を探しました。
けれど、その姿を見つけることはできませんでした。
長い間、城を留守にしていたため、月雫の城には新しい城主が迎えられ、元の城へ戻ることさえ叶わなかったそうです。
ルミナ姫は、その後どこへ行ったのでしょう。
それは――
あなたなら、ご存じでしょう。
おしまい。
あとがき
三つのお題から、一つのファンタジーが生まれました。
もしあなたなら、この物語の続きをどんなふうに描きますか。
ルミナ姫のその後。
巨大な猫ルーナの秘密。
そして、月雫の城の新しい物語。
あなたの空想のひらめきも、ぜひ聞かせてください。
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