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サンタになったカニ

風まかせ文芸部の企画参加作品

まえがき

サンタさんは、
雪の国にいるとは限りません。
もしかしたら、
吹きすさぶ砂浜にいるのかもしれません。
これは、そんなサンタさんのお話です。


本文

吹きすさぶ砂浜に、
身を隠すように暮らすカニの親子がいました。

カニは、食料を探しに毎日出かけていきます。
けれど、風の強い砂浜には、
何も残っていませんでした。

帰ろうとしたそのとき、
カニは金色に輝く光を見つけました。

その光は、
ひとつだけではなく、
いくつも、いくつも砂浜に散らばっていました。

カニは、それをひとつずつ運びました。
食料ではないけれど、
とても貴重なものだということは、
ひと目でわかりました。

カニは、それを砂浜の中にある銀行へ持っていきました。
すると、それはたくさんのお金になりました。

カニは、うれしくなり、
たくさんの食料を買おうと思いました。

けれどその途中で、
息絶えたカニを見つけました。

カニは考えました。
そして、そのお金を、
ほかのカニたちのために使おうと決めました。

カニは基金を作り、
カニたちにお金を貸し、
飢えから救いました。

そのカニは、
いつしか サンタさん と呼ばれるようになりました。

サンタさんは、
クリスマスだけでなく、
一年中、活躍しています。

カニのサンタさんに、会いたくないですか?

砂浜を横歩きして、
サンタの帽子をかぶったカニを、
探してみてください。


イラスト:ChatGPT

あとがき

贈り物は、
箱に入っているとは限りません。

生きる力だったり、
明日への希望だったり、
誰かを想う気持ちだったり。

サンタさんは、
今日もどこかで、
そっと横歩きしているのかもしれません。
※この物語はフィクションです。

風まかせ文芸部のお題に書かせて頂きました。
iさん、お題をありがとうございます。


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