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音のない世界の歌姫

🍊第46回 3つのお題(ファンタジー)
🎈お題①:「願いを食べる竜の森」
🐾お題②:「音のない世界の歌姫」
⏳お題③:「夢を閉じ込めたガラス瓶」

お題④イラストから空想した世界を書いて下さい。

🌙まえがき

音のない世界で生きる少女。
その声は、誰にも届くことはありませんでした。

けれど――
願いは、いつかどこかで誰かに届くのかもしれません。

そんな、静かな祈りの物語です。


📖本文

タイトル:音のない世界の歌姫

夢を閉じ込めたガラス瓶の中に、
「音のない世界の歌姫」と呼ばれる少女はいました。

「お願い、私をこの瓶から出して。
私は、自分の声を聞きたいの。」

少女は、毎晩そう願い続けていました。

けれど朝目覚めても、何も変わらない。
そんな日々が続くうちに、
期待することすら、むなしいものだと感じるようになり、
やがて願うことさえ、やめてしまいました。


イラスト:ChatGPT

――ある晩のことです。

少女は夢を見ました。

光輝く水のほとりに、
白く美しい竜が静かに佇んでいます。

その竜は、伝説の「願いを食べる竜」でした。

竜は、ひとつの小さな水晶玉を
そっと少女に差し出しました。

言葉はありません。
けれど少女には、それが――
「願いを込めなさい」と語りかけているように思えました。

「お願い……
私の声を聞きたい。
そして、この瓶の中から出して。」

少女は、強く、強く念じました。

――目を開けると、そこは変わらずガラス瓶の中。

「ああ、やっぱり夢だったのね……」

そう思いながら、少女はそっと息を吐きました。

「ふー……」

その瞬間、
その息は――音になりました。

「え……今の、私の声?」

少女は戸惑いながら、もう一度声を出します。

「あ……あ……」

聞こえる。
確かに、自分の声が聞こえる。

それは、今まで一度も感じたことのない、
不思議で、そして――とても愛おしいものでした。

あの竜が、願いを叶えてくれたのだと、
少女は静かに感じました。

少女の声は、ガラス瓶の中で美しく響きます。

かつて「音のない世界の歌姫」と呼ばれていた少女は、
今では、音のある世界へと歌を届けています。

――ほら、あなたのスマホの中に、あるでしょう。


イラスト:ChatGPT

🌸あとがき

願いは、すぐに叶わないこともあります。
けれど、消えたように見えるその願いも、
どこかで静かに誰かに届いているのかもしれません。

少女が初めて自分の声を知ったように、
私たちもまた、気づいていない「大切なもの」に
出会う瞬間があるのだと思います。

この物語が、誰かの小さな願いに
そっと寄り添えたなら嬉しいです。

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