観覧車の雲の中
せりふ三題噺の企画参加作品
まえがき
頭の中がごちゃごちゃしている時、
考えがまとまらない時、
私は観覧車に乗る。
ゆっくり空へ上がっていくと、
景色も、悩みも、
少しずつ小さくなる気がするから。
でもその日、
観覧車の雲の中で、
ちょっと不思議な出来事が起こった。
観覧車の雲の中
私は、頭の整理がつかない時や、
悩みがある時、観覧車に乗る。
どんどん高くなる景色を見て、
小さくなる建物を眺めていると、
自分の存在まで小さく感じられ、
抱えている問題も
少しだけ軽くなる気がする。
観覧車が、雲の中に入った。
今日は曇り空。
今にも雨が降りそうだ。
その時、
ガチャンと音がした。
ふと見ると――
「あれ?亀?」
なんで、ここに。
すると、その亀が言った。
「なぁ、お腹空いてます。
なんか食べさしてくれん?」
……なんで関西弁?
私はカバンの中から
マシュマロを差し出した。
「うわー、これ、雲みたいやな。
売り出したら売れるでー。
スポンサーになってやろか?」
なんや、この亀。
おかしいでー。
「あ、あんさん、この観覧車に乗るの、
初めてやないでっしゃろ?」
え?
「顔に出てます。
常連やて。」
なんやの。
ますます、おかしな亀。
「わてな、靴下の行商してます。」
え、亀が行商?
観覧車の雲の中で、
不思議な世界が広がっている。
それに、観覧車は
動いているようで、
止まっているようでもある。
やがて雲が切れて、
青い空がのぞいた。
「あ、良かった。
雨にならんで良かったね。」
そう言うと、
あの亀は雲と一緒に
どこかへ行ってしまいました。
……あれは夢の中の出来事?
カバンの中のマシュマロは
空のままだった。
私の悩みも…

あとがき
観覧車は、
空へ近づく不思議な場所です。
もしかすると、
雲の中には
思いがけない出会いが
待っているのかもしれません。
もし観覧車で
関西弁の亀に出会ったら――
その時は、
マシュマロを持っていると
喜ばれるかもしれません。
※この物語はフィクションです。
せりふ三題噺のお題に書かせて頂きました。
お題をありがとうございます。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします😊これからも続けていく”未来の種”になります。よろしくお願いします。(❁´◡`❁)