世界のはじまり
🍊第47回 3つのお題(ファンタジー)
🎈お題①:「空に落ちた国」
🐾お題②:「世界のはじまりの音」
⏳お題③:「泣き虫な太陽」
お題④イラストから空想した世界を書いて下さい。
🌙まえがき
これは、地球がまだ生まれる前の物語。
光と闇がせめぎ合い、
世界がまだ形を持たなかった頃――
空から落ちたひとつの国と、
ひとつの小さな光のお話です。
📖本文
第一章 空に落ちた国

むかしむかし、宇宙のどこかに
空に浮かぶ、美しい国がありました。
その国は光に満ち、
人々は穏やかに暮らしていました。
けれどある日、
すべてを飲み込もうとする暗黒の国が現れます。
空は曇り、光は奪われ、
ついにはその国は、
空からゆっくりと落ちていきました。
それは、世界から光が消えはじめた合図でした。
第二章 世界のはじまりの音
暗黒の時代が訪れ、
世界は静かに壊れていきました。
光の象徴であった太陽もまた、
暗黒の鎖に繋がれ、
その輝きを閉ざされてしまいます。
そのとき、太陽は知っていました。
――世界をもう一度はじめるには、
「はじまりの音」を鳴らさなければならない、と。
けれどその場所へ行けるのは、
小さく、気づかれぬ存在だけ。
太陽は、自らの光をひとかけら切り離し、
それを世界へと落としました。
そのかけらは、
小さくて、弱くて、
とても泣き虫の光でした。
泣けばすぐに見つかってしまう――
それでも、
その光は暗闇の中を歩き出します。
もう、戻ることはできませんでした。
第三章 泣き虫の太陽
どれほどの時が過ぎたのでしょう。
暗闇の中を進み続けたその光は、
やがて、何かに触れました。
――かすかな音が、響きました。
それは、遠い昔に失われた
「世界のはじまりの音」でした。

泣き虫の太陽は、
震える手で、ひとつ、またひとつと触れていきます。
音はやさしく広がり、
静かに世界を満たしていきました。
すると――
その足跡のあとに、
小さな花が咲きはじめたのです。
暗黒の雲はゆっくりとほどけ、
閉ざされていた光が戻ってきました。
そして、空から落ちたあの国もまた、
光の中に姿を現しました。
泣き虫の太陽は、
うれしくて、
笑いながら、泣きました。

やがて、時は流れ――
その光は、新しい世界のはじまりとなり、
のちに「地球」と呼ばれる星が生まれます。
けれど、暗黒の気配は、
完全に消えたわけではありません。
いまもどこかで、静かに息をひそめ、
また訪れる時を待っているのです。
🌸あとがき
光は、強いものだけが持つものではありません。
小さくて、弱くて、
泣きながらでも前に進むもの――
その一歩が、
世界を変えることもあるのです。
もしかすると今も、
どこかで小さな光が、
新しいはじまりの音を探しているのかもしれません。
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