かぐや姫と狐と地蔵様
🍊第54回 3つのお題(日本むかし話)
🎈お題①:「かぐや姫のアルバイト」
🐾お題②:「狐の嫁入り大作戦」
⏳お題③:「お地蔵様の井戸端会議」
お題④イラストから空想した世界を書いて下さい。
まえがき
昔々のお話……と思ったら大間違い。
現代を生きるかぐや姫は、大学の学費を稼ぐためにアルバイト中。
その美貌と笑顔で人気者になったかぐや姫の周りには、なぜか狐やお地蔵様まで集まってきました。
さてさて、今日もにぎやかな一日が始まるようです。
本文
第1話 かぐや姫のアルバイト
かぐや姫は大学の学費のために、喫茶店でアルバイトをしていた。
「いらっしゃいませ。」
その笑顔と美貌で、たちまちSNSで話題となり、喫茶店は大繁盛。
マスターは嬉しそうに言った。
「かぐや姫さん、おおきに。でも大学はちゃんと行かんといかんで。」
「はい、もちろんです。」
「ただな、あんたがおらんと客が激減するんよ。まぁ、休めるからええけどな。」
「もう、マスターったら。」
かぐや姫は笑いながら続けた。
「私の友だちに助っ人を頼むので、ちょっと待っててくださいね。」

第2話 狐の嫁入り大作戦
かぐや姫の友だちの狐は、映画の撮影中だった。
映画のタイトルは――
『狐の嫁入り大作戦』
「よーし、ハイカット!」
監督の声が響く。
「いつもきれいやな。」
「はい、これで全部撮り終えたで。」
監督は満足そうにうなずいた。
「今夜は打ち上げや。わいのおごりや!」
大きな声が響く。
するとスタッフの狐が言った。
「監督、まだお金入ってませんで。どないするんです?」
「そこで、あんさんの出番でんがな。」
「え、またわてですか。」
「そうや。あんさんのマジックやがな。」
「もう、それ、あきまへんて。」
「今回が最後や。」
狐はため息をついた。
「もう、その言葉1000回は聞いたで。」
そこへスマホが鳴る。
かぐや姫からのLINEだった。
『ごめん。助っ人お願い。』
狐は空を見上げた。
「またかいな。忙しいなぁ。休みをくれんかな。」
そう言いながらも、結局向かうことにした。

第3話 お地蔵様の井戸端会議
その頃、お地蔵様たちは井戸端会議の真っ最中だった。
「なぁ、今人気の喫茶店知ってる?」
「もちのろんです。あのかぐや姫のおるとこでっしゃろ。」
「そうそう。時々、女狐のように妙に色っぽいかぐや姫もおるらしい。」
「なんで、一人じゃおまへんの?」
「そこでんがな。」
お地蔵様は得意そうに言った。
「わてはな、かぐや姫の分身がおると思うねん。」
「ほー、分身とな。ほな、かぐや姫は忍者か。」
「そうそう……ちゃうちゃう。」
みんなで笑う。
「なぁ、行ってみたいな。かぐや姫の喫茶店。」
「今から行こか。」
「動けるか?」
「そ、やった。」
しばらく沈黙が流れる。
やがて一人のお地蔵様が言った。
「出前館でコーヒー頼もうか?」
「ほい、5杯頼んだでー。」
「誰が持ってくるかな。かぐや姫か、分身か。」
お地蔵様たちは、すっかりその気になっていた。
しばらくして現れたのは――
……
「あかん、コーヒー吹いてもうた……」

あとがき
かぐや姫はアルバイト。
狐は映画撮影。
お地蔵様は井戸端会議。
昔話の登場人物たちも、現代社会ではなかなか忙しいようです。
それにしても、お地蔵様たちの前に現れたのは一体誰だったのでしょう。
その謎は、あなたの空想の中で。
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