風船を配る巨人の旅
🍊第53回 3つのお題(ファンタジー)
🎈お題①:「風船を配る巨人」
🐾お題②:「虹を盗んだ猫」
⏳お題③:「眠れない三日月」
お題④イラストから空想した世界を書いて下さい。
まえがき
風船を配る巨人。
虹を盗んだ猫。
眠れない三日月。
そして、不思議な女の子。
3つのお題から生まれた物語は、いつの間にかひとつの世界へとつながっていきました。
まだ始まったばかりの物語です。
どうぞ、空想の扉を開いてお入りください。
風船を配る巨人
第1話 風船を配る巨人
巨人ばかりが暮らす国に、一人の気の弱い巨人が住んでいました。
仲間たちは言います。
「お前は、なんだって巨人なんかに生まれたんだ」
「巨人なら花なんか踏みつぶせばいいんだ」
けれど気の弱い巨人は、他の巨人たちが踏みつぶした花を見つけると、そっと起こしてあげるのでした。
巨人は、自分のことを弱いと思っていました。
力もなく、勇気もない。
そう思い込んでいたのです。
ある日、巨人の国に大きな隕石が降り注ぎました。
多くの巨人たちは命を落とし、国は滅んでしまいました。
けれど気の弱い巨人は、たまたま身を隠していたおかげで助かったのです。
ひとり残された巨人は、仕方なく他の国へ向かうことにしました。
第2話 虹を盗んだ猫
「こらーっ、待て!」
大きな声が響きました。
その先には、大きな袋を抱えた猫が猛スピードで走っています。
「誰か捕まえてくれ!」
気の弱い巨人は、逃げる猫をひょいとつまみ上げました。
「何をそんなに急いでいるんだい?」
猫は慌てた様子で言いました。
「見逃してくれ。時間がないんだよ」
「何をしているんだ?」
「虹を捕まえたいんだ」
「虹を?」
「雨が上がった時にしか出ないだろ。だから急がないと」
巨人は首をかしげました。
「捕まえてどうするんだい?」
「袋に入れて運ぶのさ」
「どこへ?」
猫はニヤリと笑いました。
「悪い。急いでるんだ」
そう言うと、猫の姿はふっと消えてしまいました。

第3話 眠れない三日月
その夜。
空には細い三日月が浮かんでいました。
巨人は空を見上げて声をかけます。
「君は、なんだか不満そうな顔をしているね」
三日月はため息をつきました。
「あら、わかる?」
「何かあったのかい?」
「私ね、眠れないの」
「眠れないと困るのかい?」
「あら、重大なことよ」
「どうして?」
「お肌に悪いの」
巨人は思わず目を丸くしました。
「お肌?」
「そう。月の表面って、ぼこぼこしてるでしょう? 私はつるつるが好きなの」
「眠れたら、つるつるになるのかい?」
「それが、よくわからないのよ」
三日月は少し考えてから言いました。

「ところで、あなたはどこから来たの?」
「巨人の国さ」
「そう。だったらお願いがあるの」
「どんなこと?」
「風船を子どもたちに配ってほしいの」
巨人はにっこり笑いました。
「お安い御用さ」
第4話 女の子の招待
翌日。
巨人はたくさんの風船を子どもたちに配りました。

子どもたちは大喜びです。
「ありがとう、巨人さん!」
その中の一人の女の子が言いました。
「お礼をしたいから、うちに来て」
「いいのかい?」
「もちろんよ」
巨人は女の子の家へ向かいました。
庭にはテーブルが置かれ、お菓子と飲み物が並んでいます。
そしてそこには、あの虹を盗んだ猫もいました。
「あれ? 君も招待されたのかい?」
「ああ」
猫は笑います。
「この子はね、僕たちを特別な存在だと思っていないんだ」
「特別じゃない?」
「ああ。巨人も、猫も、月も、みんな同じさ」
巨人は少し嬉しくなりました。
「ところで、君は盗んだ虹をどうしたんだい?」
猫は空を見上げました。
「どうしたかって?」
そして、いたずらっぽく笑います。
「それは、そのうちわかるよ」
あとがき
さて。
盗まれた虹は、一体どこへ行ったのでしょう。
女の子は何者なのでしょう。
巨人はこれから、どんな冒険をするのでしょう。
そして、眠れない三日月は、ちゃんと眠ることができたのでしょうか。
はい、はい。
質問はお一人様一つです。
続きは、またいつか。
🌈🐱🎈🌙✨
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