「ルナと支配人ジェームズの物語」
🍊第41回 3つのお題
🎈お題①:「ひつじ雲ホテル」
🐾お題②:「月うさぎのパン屋」
⏳お題③:「記憶ときらめく風の通り道」
🖼お題④:イラストから空想した世界を書いて下さい。
ひつじ雲ホテルの支配人ジェームズは、空を見上げていた。
もう朝食の準備は整っている。
残るは、月うさぎのパン屋のパンだけ。
このホテルには、文明に即した電話などない。
ただ、待つのみ。
コツン、コツンと、やわらかな足音が響く。
階段から、ルナが降りてきた。
「ジェームズさん、困った顔してどうしたの?」
「月うさぎのパン屋が来ないんだ。
もう朝食の時間だというのに。」
「あら、それは困ったわ。楽しみにしていたのに。
ちょっと、調べてみましょう。」
ルナは、そっと目を閉じた。
そして、小さくつぶやく。
「記憶ときらめく風の通り道」
ふわり、と風が吹く。
その風の中に、景色が浮かんだ。
月うさぎのパン屋が、道の途中で止まっている。
渋滞だ。
さらに記憶をさかのぼると、その理由が見えてきた。
大きな木が倒れ、道を塞いでいる。
車から降りた人たちが、力を合わせて木を動かしていた。
その中に、月うさぎの姿もある。
ルナは、そっと目を開いた。
「ジェームズさん、道が塞がれてるみたい。
みんなで木をどかしてるわ。」
その言葉を聞いた瞬間、
ジェームズの姿がふっと消えた。
しばらくして、
彼は戻ってきた。
少しだけ息を切らし、
服は、泥で汚れている。
ほどなくして、
月うさぎのパン屋が到着した。
焼きたての香りが、ホテルいっぱいに広がる。
ジェームズは、何も言わずに
ルナにウィンクをした。
ルナも、ふっと笑う。
ひつじ雲ホテルの朝食は、
少し遅れて始まった。
でも、その分、
いつもより少しだけ、あたたかい朝だった。

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