夢のつづき
アマノ文筆クラブの企画参加作品
まえがき
夢は、見るものだと思っていました。
でも、もしその夢に「つづき」があったとしたら。
そんな空想から、生まれたお話です。
本文
夢の缶詰は、売れに売れた。
追加で作っても、作っても売れた。
だが、途中から、クレームが来るようになった。
「夢は見たが、夢のつづきを見たい」
「夢のつづきの缶詰を作れ」
「そうしないと、夢の缶詰は廃棄するぞ」
脅しまで出る始末だ。
夢は、あくまで夢の世界。
それに、あえて夢のつづきを作るなんて、ナンセンスな話だ。
もうずいぶんと儲かった。
会社をたたんで、とんずらしてしまおう。
そんなことを思っていた社長のもとに、手紙が届いた。
書かれていたのは、こんな言葉だった。
”私は大きくなったら、人を助ける人になりたい。
そう思って、夢の缶詰を開けて眠ったら、
本当に助ける人になっていたの。
でもね、まだ続きがあるみたいなの。
私はまだ、学校にも行っていないから、
たくさんの夢の缶詰がいるの。
その夢の缶詰をつないだら、
きっと大きくなる頃には、
人を助ける人になれると思うの。”
――ええ、こんな手紙、無視してしまえばいい。
でも、その手紙は、
社長の小さい頃の記憶と重なっていた。
貧乏だったこと。
夢を見ることで、頑張れたこと。
夢はいつだって、最高の友だちだったこと。
「あー、もう少しで、楽な人生が待っていたのによ」
社長は、そうつぶやいて、
また、夢のつづきの缶詰を作りはじめた。
夢を見ることは、
貧乏でも、お金持ちでも、誰にでもできるのだから。
諦めない気持ちがあれば――。

あとがき
夢は、一度見て終わるものではないのかもしれません。
続けて見ることで、
少しずつ形を変えながら、
生き方になっていくものなのかもしれません。
これは、
夢のつづきのお話です。
※この物語はフィクションです。
アマノ文筆クラブのお題に書かせて頂きました。
お題をありがとうございます。
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