運命は何色?
毎週ショートショートnoteの企画参加作品
【まえがき】
お題「捺染婆(なっせんば)」から生まれた物語です。
伝統と、未来へ進みたい気持ちの間に揺れる少年。
彼が選んだ“運命の色”とは──
短い作品ですが、読んでいただけると嬉しいです。
**【本文】
『運命は何色?』**
僕の家は江戸時代から続く、染め物問屋。
おばあさんは人間国宝、別名「捺染婆(なっせんば)さん」。
小さい頃から僕はこう言われてきた。
「アンタはいずれ、自分の手で運命の色を染める職人になるよ。」
だけど、中学生の頃から僕は音楽に夢中になり、
今はAIと一緒に曲を作っている。
それでもおばあさんは、僕の顔を見ると微笑んで言った。
「運命の色を染める時が来たようだね。」
「運命の色なんて、本当にあるの?」
「あるさ。アンタの心の中にね。」
「心の中にあるものなんて、染められないよ。」
「それが、染められるのさ。」
おばあさんはいつも謎めいたことを言う。
「本気でこの仕事をやりたいと思った時においで。工房で待ってるよ。」
僕は一生行くことはないと思っていた。
音楽で生きていくんだ、と。
──でも今、僕はおばあさんの工房の前にいる。
運命の色を、
自分の手で染めたいから。

【あとがき】
伝統と、新しい夢。
どちらも大切で、どちらも“その人自身の色”になるのだと思います。
短い物語ですが、
読んだ方が「自分の色は何だろう」と
少しでも感じてくださったら嬉しいです。
※この物語はフィクションです。
毎週ショートショートnoteのお題に書かせて頂きました。
お題をありがとうございます。
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