月の階段が消える時
🍊第39回 3つのお題
🎈お題①:「魔法のドアをあけて」
🐾お題②:「月の階段が消える時」
⏳お題③:「森の巨人の秘密」
お題④イラストから空想した世界を書いて下さい。
タイトル
月の階段が消える時
まえがき
人は、ときどき「行ってはいけない場所」に惹かれることがあります。
そこには理由があるのか、それともただの好奇心なのか。
この物語は、森の奥にある秘密と、
月へと続く階段を見てしまったひとりの人の話です。
月の階段が消える時
「さぁ、早く、急いで。
月の階段が消える時がせまっているわ。
魔法のドアをあけて出るのよ。」
森の妖精の声が響く。
私は、森の巨人の秘密を知ってしまった。
追いかけてくる巨人から逃げなければ、
私もとらわれの身になってしまう。
息が止まるほど走った。
遠くに、月へと続く階段が見える。
よかった。
でも、月への階段は、少しずつ崩れはじめている。
私は昔から、この森に惹かれていた。
行方不明になる人がいる森。
なぜ森へ入ると帰れないのか。
それとも、帰らないのか。
森の奥へ進むと、大きな洞窟が見えた。
その瞬間、スマホが圏外になる。
ここで引き返そうか。
そう思いながらも、
洞窟の奥に何があるのか、
好奇心だけが私の足を動かした。
随分と歩いた。
薄暗い灯りの中に、
大きな人の影が見える。
そのとき、足元にこつんと何かが当たった。
目を凝らすと、
骨のようなものが転がっている。
恐怖で身体が動かなくなる。
後ずさりしようとしたその時、
大きな影の目が光った。
鋭い瞳孔。
もう、ここまでか。
そう思った瞬間、声が聞こえた。
「早く、逃げて。
この魔法のドアを開けて。」
私は扉を開き、
夢中で走った。
遠くから、
ドスン、ドスンという音が聞こえる。
巨人が追いかけてくる。
月の階段が見える。
私はその階段を登りはじめた。
一段、また一段。
この階段を登れば、
私はもう戻れないのかもしれない。
振り返ることはできない。
月の階段は、
私の足元から静かに消えていく。

あとがき
森には、不思議な魅力があります。
怖いと分かっていても、
奥へ奥へと進みたくなる場所。
この物語の主人公は、
好奇心の先にある「境界」を越えてしまいました。
月へ続く階段は、
もしかすると、
誰の心の中にもあるのかもしれません。
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