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昭和の風を感じて

🍊第50回 3つのお題(昭和ノスタルジー)
🎈お題①:「自転車と夕立」
🐾お題②:「アイスキャンディーの当たり棒」
⏳お題③:「母のエプロン」

お題④イラストから空想した世界を書いて下さい。

まえがき

昭和の時代には、
今のように便利なものは、まだそんなに多くありませんでした。

でも、夕立に濡れながら走った帰り道や、
アイスの当たり棒に一喜一憂した時間、
母のエプロンのにおい――

そんな小さな出来事が、
なぜか今でも心の中に残っています。

今回は、「昭和ノスタルジー」をテーマに、
どこか懐かしくて、ちょっと笑えて、
あたたかい家族の風景を書いてみました。


第1話 母のエプロン

「おかあちゃん」

「なん、さっちゃん。」

「おかあちゃん、なんでお父さんと結婚したん?」

「なんや、藪から棒に。」

「やぶの話やないで。」

「あはは、そうやな。おかあちゃんにもわからへん。」

「あたいはな、おとうちゃんみたいな人とは、よう一緒にならへん。」

「え、なんで?」

「おならはするし、トイレ長いし、あと阪神ファンの熱はいかれレベルでっせ。」

「そうやなぁ…。おかあちゃん、今からでも他の人探してみようか?」

「あかん。おとうちゃん、ああ見えてもええとこあんねん。」

「そうか、残念やわ。」

すると、奥からお父ちゃんの声がした。

「おい、お前ら、おれの話で何盛り上がってんねん。」

「おとうちゃんが、ええ男やって今から言うとこやったのに。」

「そうか、ほな許したる。」

「今から焼き鳥食いに行こうか。」

「賛成!」

夕暮れの道を、親子三人で焼き鳥屋へ向かうのでした。

――おしまい。

え、まだ終わらへんの。

イラスト:ChatGPT

第2話 自転車と夕立

僕は、自転車に乗れるようになった。

練習の間、何度も転んで、
膝は傷だらけ、絆創膏だらけになったけど、
これも勲章や――そない思うた。

ある日、おつかいを頼まれた僕は、
夕暮れの道を自転車で走った。

すると突然、夕立が降り出した。

僕はびしょぬれになったけど、
まるでシャワーを浴びているみたいで楽しかった。

家に帰ると、頼まれたものまでびしょぬれで怒られた。

でも、いつものことやから気にもせんかった。

僕は愛車の自転車を拭きながら、
ぽつりとつぶやいた。

「明日はどこに行こうかな。」


イラスト:ChatGPT

第3話 アイスキャンディーの当たり棒

アイスの当たり棒が出たら、
「ヤッター!」とテンションが上がる。

アイスは毎日買えるもんやない。

だから、慎重に選ぶんや。

冷蔵庫を開けっぱなしにしていると、
店のおばちゃんが言うた。

「はよ閉めて。アイスがとける。」

「あ、ごめん、おばちゃん。当たり棒探してるんや。」

「そないなもん、見えんやろ。」

「そうやな。なぁ、ここで当たり棒ってどれくらい出るん?」

「そうやなぁ、数えたことないな。」

「おばちゃん、当たり棒の出る確率、勉強した方がええで。」

「アホか。そんなん、出たとこ勝負や。」

「おばちゃん、かっこええな。」

「そうか?今日はええ気分や。アイス一個おまけや。」

「うわー、おおきに!」

僕はアイスを買って帰った。

一つは冷蔵庫に入れて、
夕方、テレビで『鉄腕アトム』を見ながらアイスを食べた。

すると――

「あたり、出たーーーー!」

僕が大騒ぎすると、
一つ下の妹が冷めた声で言うた。

「静かにしてくれん?テレビが聞こえへん。」

「ほら、当たり棒が出たんや。」

「お兄ちゃん、単細胞やな。当たり棒くらいで喜んで。」

「ほな、お前はどんなんで喜ぶんや?」

「あたいか?それは言えへん。」

「もったいぶらんと教えて。」

「冷蔵庫のアイス食べさせたら、教えてもええで。」

うわー。

ちゃっかり者の妹にはかなわんな――そう思った。

「ほら、当たりが出たら僕のやで。」

「お兄ちゃん、そんなせこいこと言うたら、女の子にもてへんで。」

「いや、僕には大事なんや。」

僕は妹の食べるアイスをじっと見つめていた。

アイスが半分くらいになった頃――

「なぁ、もうそろそろと思う。」

「何が?」

「当たり出てるか、文字が見えるんや。」

「お兄ちゃん、全部食べ終わるまで待ちーや。」

すると台所から、おかあちゃんの声が飛んできた。

「あんたら、夕食前に何食べてますの?」

すると妹が、すかさず言うた。

「おかあちゃん、お兄ちゃんが“これうまいから食べて”言うたんよ。あたいは夕ご飯前やからあかんって言うたんやけど。」

――うそこけ…。

僕は小声でつぶやいた。

「なぁ、当たり出たんか…。」


イラスト:ChatGPT

あとがき

昭和の時代には、
今みたいにゲームもスマホもありませんでした。

でも、夕立に濡れるだけで楽しかったり、
アイスの当たり棒で大騒ぎしたり、
そんな毎日が宝物みたいに輝いていました。

記憶の中の家族は、
今もエプロン姿のまま笑っています。

懐かしい昭和の風景、
あなたの心にも残っていますか?

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