スイカとたいよう
1ページの絵本No.61
まえがき
夏の畑に広がるスイカたち。
その中に一つだけ、小さなスイカがいました。
大きくなれなかった理由を、誰かのせいにしたくなったとき、
太陽がそっと語りかけてくれたのです。
これは、自分を認めることの大切さを教えてくれる、小さなスイカと太陽のやりとりのお話。
本文:スイカとたいよう
片桐みかん
大きなスイカ畑に、少し小ぶりのスイカがいました。
他のスイカたちは、次々にハサミで切られて、運ばれていきます。
小ぶりのスイカは、空を見上げて言いました。
「たいようくんが悪いんだ。
ぼくにたくさん栄養をくれなかったから、大きくなれなかったんだ。」
すると、たいようがゆっくりと話しかけてきました。
「スイカくん。
“大きいから一人前”って、誰が決めたの?
それは、君自身がそう思い込んでるだけじゃないかな。
小さくても、君は立派なスイカだよ。
誰かのせいにするとね、小さいスイカがもっと小さくなってしまうんだよ。」
スイカは、ちょっと考えてから言いました。
「ぼく、みんなと一緒だと安心するんだ。
取り残されてる気がして、不安なんだ。」
たいようは、やさしく問いかけました。
「スイカくん、自分が他のみんなと違うのって“大きさ”だけ?
中身は同じじゃない?」
スイカはうなずきました。
「うん、ないと思う。僕は…スイカだもん。」
たいようは、にっこり笑いました。
「そうなんだよ、君はスイカなんだよ。」
スイカはなんだかうれしくなってきました。
そして、ほんの少しだけ、からだがふくらんで
太陽の光を浴びながら、
静かに、優しく運ばれていきました。

あとがき
だれかと比べて落ち込むことがあっても、
自分の中にちゃんと“自分だけの光”があること、
この小さなスイカくんが、思い出させてくれました。
夏の太陽のような、やさしい絵本です。
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