論文の名は「幼馴染はじめました」
毎週ショートショートnoteの企画参加作品
「大学の研究論文のテーマは『幼馴染はじめました』です。」
教授の一言に講堂がざわついた。
「なんでこんなテーマなんだよ。」
講堂を出ると友人が言った。
「お前、幼馴染いる?」
「田舎にいるけど。」
「締め切り明日だぜ。」
「AIに頼むしかないな。」
「やめとけ。あの教授、AIは見抜くらしい。」
「じゃあ、下手に作ってもらう。」
友人は笑ってアルバイトへ向かった。
僕はアパートに戻り、卒業アルバムを開いた。
「久しぶり。元気?」
そんな声が聞こえた気がした。
夢中で論文を書き、翌日提出した。
教授は静かに言った。
「今はAIで何でも代行できる時代です。でも、思い出だけは代行できません。幼馴染と過ごした時間、その絆を思い出してほしかった。」
講堂は静まり返った。
僕はアルバムの中の笑顔を思い出しながら、小さくうなずいた。
(345字)

毎週ショートショートnoteのお題に書かせて頂きました。
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