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ひとりぼっちの夕暮れ

🍊第47回 3つのお題(昭和ノスタルジー)
🎈お題①:「秘密基地の約束」
🐾お題②:「ビー玉の世界」
⏳お題③:「帰りたくない夕方」

お題④イラストから空想した世界を書いて下さい。

ひとりぼっちの夕暮れ

僕は、夕暮れの空き地に立っていた。

再開発が決まり、
僕らの秘密基地は壊された。
それも、あまりにも突然に。

大切にしていた宝物も、
約束も、
全部、がれきの中に消えてしまった。

日が沈むころ、
友達は一人、また一人と帰っていく。

僕は帰らない。

帰ったら、
飲んだくれの親父が騒いで、
酒を買ってこいと言うからだ。

秘密基地には、
こっそり布団を置いていた。

家出の準備――
そうだったのかもしれない。

親父といるより、
ここにいる方が、ずっと心が穏やかだった。

ポケットに手を入れると、
三つのビー玉があった。

手のひらにのせて、
一番星にかざしてみる。

ビー玉の中の世界は、
静かに、美しく光っていた。

僕は、大きく息を吐き、
ゆっくりと家へ向かった。

家には灯りがつき、
近所の人が集まっていた。

親父は――
近所の人を殴り、逮捕されたという。

警察の人に、
親戚の名前を聞かれたけれど、
僕は「知らない」と答えた。

親父のいない部屋は、
がらんとして広かった。

けれど、
不思議と寂しさはなかった。

酒を飲まなければ、
あの人はおとなしい。

でも、酒を飲むと変わる。

――いや、
変わるんじゃなくて、
あれが本当の姿なのかもしれない。

それから僕は、
親父と離れて暮らすことになった。

今は遠い親戚の家で、
静かに暮らしている。

酒で暴れる人もいない、
穏やかな場所で。

それでも――

あんな親でも、
やっぱり気にかかる。

いつか、
迎えに来てほしいと、
僕はどこかで願っている。


イラスト:ChatGPT


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