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なぜ起業したのか?「冒険への召命」はいつ?/隠れ内向型中高年の「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」②

全6,987字 内向型の中高年起業家専門コンサルタントの松崎です。

なぜ、あなたは起業したのか?
〜「冒険への召命」は、いつから始まっていたのだろう〜
隠れ内向型の中高年が歩む「ヒーローズ・ジャーニー」②

前回の記事では、
「あなたの人生は、もしかすると『自分自身に戻ってくるための物語』だったのではないか?」
というお話をしました。

そして、その物語を読み解くための一つの型として、ジョーゼフ・キャンベルの「ヒーローズ・ジャーニー」を取り上げました。

普通の世界に生きていた主人公が、ある出来事をきっかけに、その世界を離れて旅に出る。
旅の途中で試練に出会い、自分自身と向き合い、やがて新しい何かを手に入れて帰ってくる。

これが「英雄の旅」です。

では、あなたの旅は、いつ始まったのでしょうか?
もしかすると、その始まりは「起業した日」ではなかったのかもしれません。

もっとずっと前・・・

あなた自身も気づいていなかった、心の奥底からの小さな呼び声。
今回は、その「冒険への召命」について考えてみたいと思います。




1.「起業したい」と思ったのはいつでしたか?

あなたが初めて、
「いつか、自分で仕事をしてみたい」
と思ったのは、いつ頃だったでしょうか?

会社員として働いているときだったかもしれません。
上司からの指示に違和感を覚えたときだったかもしれません。
組織の中で、自分の考えがなかなか通らなかったときだったかもしれません。
定年が近づき、「この先、自分は何をして生きていこう?」と考えたことがきっかけだったかもしれません。

あるいは、
自分のこれまでの経験を、誰かの役に立てられないだろうか?
と思ったことが始まりだったかもしれません。

私自身は、これらのことがすべてつながった、と感じたときだった氣がします。💦💦

感じ方は、人によって、きっかけはさまざまです。
でも、ここで一つ考えてみてほしいのです。
「起業した理由」と「起業したくなった理由」は、本当に同じでしょうか?

行動を起こしたくなるときは?

2.「起業した理由」と「起業したくなった理由」は違う

例えば、
「会社を辞めたから」
「定年になったから」
「収入を得る必要があったから」
「自分の経験を活かしたかったから」
「会社員より自由に働きたかったから」
こうしたものは、起業した「理由」です。

でも、そのもっと奥に、
「本当は、どう生きたかったのか?」
という問いが隠れていることがあります。

例えば、
「もっと自分の裁量で仕事をしたかった」
「自分で考えて、自分で決めたかった」
「会社の都合ではなく、お客様のために仕事をしたかった」
「もっと静かに、自分のペースで働きたかった」
「自分の経験を誰かに伝えたかった」
「一つのことを深く追究したかった」
「人間関係に振り回されずに仕事をしたかった」
「本当に必要としてくれる人と、じっくり関わりたかった」
もし、こんな思いがあったのなら。

あなたが求めていたのは、単なる「起業」ではなかったでしょう。
それは、「自分らしく生きられる場所」
だったのではないでしょうか。

自分らしく生きられる場所は?

3.中高年版ヒーローズ・ジャーニーには「冒険への召命」がある

中高年版ヒーローズ・ジャーニーでは、主人公は最初から冒険に出たいと思っているわけではありません。
最初は、普通の日常を生きています。

ところが、ある日、
「このままではいけない」
「ここから出なければならない」
「何かを変えなければならない」
という出来事や感覚に出会います。

これが、「冒険への召命」です。
「召命」という言葉は、少し大げさに聞こえるかもしれません。

神様から突然、
「あなたは明日から冒険に出なさい」
と言われるわけではありませんから・・・。

むしろ、現実の人生ではもっと静かです。
「何か違う気がする」
「このままでいいのだろうか」
「もっと自分らしく生きたい」
「まだ何かできるんじゃないか」

そんな、小さな違和感や、心のざわつき
として現れることが多いのです。

小さな違和感や心のざわつきはある?

4.中高年になるとその「声」が聴こえてくる

若い頃は、目の前のことで精一杯です。

学校を卒業する。就職する。
仕事を覚える。結婚する。
子どもを育てる。住宅ローンを払う。
昇進する。部下を持つ。
親のことを考える。
社会人としての責任を果たす。

自分は何者なのか?
などと、じっくり考えている余裕がありません。

だから、「本当はどう生きたいのか?」
という心の声を、私たちは後回しにしてきたました・・・。

ところが、50代、60代になると、少しずつ状況が変わります。
子育てが一段落する。役職を離れる。
定年が見えてくる。会社員としてのキャリアに一区切りつく。
人生の残り時間を、以前よりも現実的に意識するようになる。

すると、それまで心の奥にあった「問い」が、ある時浮かび上がってくるのです。

「私は、これから何をして生きていくのだろう?」

これから何をして生きていく?

5.「このまま終わりたくない」という気持ち

中高年の起業家の方と話をすると、
「このまま会社員人生だけで終わりたくなかった」
「まだ自分には何かできると思った」
「これまでの経験を、そのまま眠らせたくなかった」
などといった言葉をよく聴きます。

一見すると、「起業家として成功したい」
という野心のようにも見えます。

しかし、実際にはそうとは限りません・・・。

むしろ、「自分の人生を、自分自身の手に取り戻したい」
という思いが、その奥にあるのでしょうね。

これは、隠れ内向型の人にとって、特に重要な意味を持つのだと思います。

なぜなら、隠れ内向型の人は、これまで長い間、
「周囲に合わせること」
を上手にやってきたからです。

横並びの世界から抜け出すとき?

6.「いい人」であることが上手すぎた

会社では、「はい、分かりました」と上司の指示に従う。
会議では、周囲の意見を聞いてから発言する。
人間関係では、相手の氣持ちを考える。
無理をしてでも、頼まれた仕事を引き受ける。
自分の意見を押し通すより、場の空気を大切にする。

そうやって、社会の中でうまくやってきた・・・。

もちろん、それは素晴らしい能力です。
でも、その一方で、
「自分は本当は何をしたいのか?」
を後回しにしてきたのです。

「みんながそうするから」
「会社員とは、そういうものだから」
「管理職なら、こうするものだから」
「大人なら、これくらい我慢するものだから」

そんな「〜するもの」という言葉に囲まれているうちに、
自分自身の「〜したい」が見えなくなってしまう。

そんな期間を長きに渡って過ごしてきたのではないでしょうか。


7.起業は「自由になりたい」という願いだったのかもしれない

だから、中高年になって起業を考えたとき、
「会社から逃げたい」
という氣持ちだけではなかったのかもしれません。

もっと深いところでは、
「自分の人生を、自分で選びたい」
という願いだったのかもしれません。

何をするのか。誰と仕事をするのか。
どこで働くのか。どんなペースで働くのか。
どんなお客様と付き合うのか。
どこまで仕事をするのか。

そして、どんな人生を送りたいのか。
これらを、自分で決めたい。

それは「起業」というより、
「自分の人生の主導権を取り戻す旅」
だったのではないでしょうか。

自分はどこでどんな旅をする?

8.ところがここで「冒険への拒否」が始まる

しかし、ヒーローズ・ジャーニーには面白い側面があります。

主人公は「冒険への召命」を受けたからといって、すぐに旅立つわけではありません。

むしろ、「そんなこと、できるわけがない」と拒む。
これを「冒険への拒否」と呼びます。

現実の中高年起業でも、似たことが起きます。
「今さら起業なんて無理だろう」「もう若くない」
「自分には特別な才能がない」
「会社員しかやってこなかった」
「失敗したらどうする?」「家族に迷惑をかける」
「今から新しいことを覚えるなんて無理だ」
「そもそも、自分に何ができるのか分からない」

そうやって、心の中の「旅立ちたい自分」にブレーキをかけます。

私自身ももちろん、ブレーキを踏みました。💦💦
でも、アクセルも踏んでいたので、前へ進んでしまったのですね。💦💦

旅立ちたい自分を信じてみては?

9.隠れ内向型にはもう一つの「拒否」がある

そして、隠れ内向型には、もう一つ大きな壁があります。

それは、
「起業するなら、外向型にならなければならない」
と思ってしまうことです。

起業家なら、営業が得意でなければならない。
起業家なら、人脈が広くなければならない。
起業家なら、SNSでどんどん発信しなければならない。
起業家なら、交流会に参加しなければならない。
起業家なら、人前で堂々と話さなければならない。
起業家なら、自分を売り込まなければならない。

そう思ってしまう。
そして、「自分には起業家としての資質がない」
と判断してしまう。

でも・・・、本当にそうでしょうか?


10.「起業家=外向型」という思い込み

これは、私たちが一度疑ってみてもいい思い込みだと思います。

確かに、営業力や社交性が大きな武器になるビジネスはあります。
でも、すべてのビジネスがそうではありません。

一人で深く考える。専門性を磨く。
文章を書く。企画を考える。
調査する。分析する。
人の話をじっくり聴く。
顧客一人ひとりと深く関係を築く。
長い時間をかけて信頼を積み上げる。

こうした力も、立派な「起業家の力」なのです。
むしろ、中高年には、
これまで何十年もかけて培ってきた経験
があります。

若い起業家にはないものを、すでに持っているのです。

だから、「起業するために、別の誰かになる」
必要はありません。

「素の自分」になれる場所は?

11.「自分を変える」のではなく「自分を活かす」

ここは、今回の記事で一番伝えたいことの一つです。

隠れ内向型の中高年が起業するとき、
「外向型の起業家になろう」としないこと。

大切なのは、
「内向型の自分でも力を発揮できる起業の形」を探すこと。
なのです。

例えば、
「一人で集中できる時間を確保する」
「人と会う予定を詰め込みすぎない」
「1対1の関係を大切にする」
「文章やコンテンツを使って、自分の考えを伝える」
「自分の専門性を商品にする」
「少人数のお客様と深く付き合う」
「紹介や口コミを大切にする」
「無理に大きくすることを目標にしない」
こうした選択肢もあります。

これは、「内向型だから小さく生きる」
という話ではありません。

そうではなく、
「自分のエネルギーが、どこで一番自然に力へ変わるのかを知る」
という話です。

自分のエネルギーはどこで発揮される?

12.あなたの「起業したい」は何を求めていたのでしょうか?

ここで、少し立ち止まって考えてみてください。

あなたが、「自分で仕事をしたい」と思ったとき。
本当に欲しかったものは、何だったのでしょう?

お金でしょうか。自由でしょうか。
名誉でしょうか。成功でしょうか。

それとも・・・、
「自分の人生を自分で決めること」
だったのでしょうか。

あるいは、
「自分の経験を誰かの役に立てること」
だったのでしょうか。
「自分のペースで働けること」
だったのでしょうか。
「会社という組織から離れて、自分らしく生きること」
だったのでしょうか。

ぜひ、一度、紙に書き出して、客観視して(メタ認知して)ください。

『私が起業したかった本当の理由は?』
そして、その下に、
『私は、起業して何を手に入れたかったのか?』
と書いてみる。

さらに、
私は、どんな生き方をしたかったのか?』
と書いてみてください。

すぐに答えが出なくても構いません。
むしろ、すぐに答えが出ない方が自然なのかもしれません。

何よりも、
問いを持ち続ける」という姿勢が大切なのですから。

「持ち続ける問い」は何ですか?

13.「冒険への召命」は人生のどこかに必ず痕跡を残している

あなたの「召命」は、もしかしたら起業という形ではなかったかもしれません。

転職だったかもしれない。
副業だったかもしれない。
会社を辞める決断だったかもしれない。
定年後に何かを始めたことだったかもしれない。

あるいは、
「もう一度、何かを学びたい」
という気持ちだったかもしれません。

それどころか、まだ何も始めていない人もいるでしょう。

でも、「このままでは終わりたくない」
という気持ちがあるのなら。

それもまた、一つの「呼び声」なのかもしれませんね。


14.そして、旅人は「境界線」の前に立つ

ヒーローズ・ジャーニーでは、主人公はやがて、
「これまでの世界」と「未知の世界」の境界線
に立ちます。

ここから先へ進めば、もう以前と同じ場所には戻れない。
でも、怖い。
だから迷う。

中高年の起業も、まさにそうではないでしょうか。
会社を辞める。副業を始める。
自分の商品を作る。初めてお客様にお金を払ってもらう。
会社員時代には考えもしなかったことを、自分で決断する。

それは、単なる仕事上の出来事ではありません。
「これからの自分の人生を、自分自身で選ぶ」
という境界線(コンフォートゾーン)を越えることでもあります。

コンフォートゾーンを越えますか?

15.旅に出るのは「勇敢な人」だけではない

ここで、大切なことがあります。

ヒーローズ・ジャーニーの主人公は、
最初から勇敢だったわけではありません。

怖かった。迷った。
失敗するかもしれないと思った。戻りたいと思った。
それでも、一歩を踏み出した。

だから「英雄」なのです。

中高年の起業も同じではないでしょうか。
「怖くないから始める」のではない。
「自信があるから始める」のでもない。

怖いけれど、それでも一歩踏み出してみる。

それだけで、もう旅は始まっています。


16.あなたはなぜ今「起業」を考えているのですか?

最後に、もう一度だけ問いかけたいと思います。

もし今、あなたが起業しているのなら。
あるいは、これから起業しようとしているのなら。
あるいは、まだ起業するつもりはなくても、
「このままでは終わりたくない」
と思っているのなら。

ぜひ、自分自身に聞いてみてください。
「私は、なぜ起業したいのだろう?」

そして、その答えのさらに奥にある、
「私は、本当はどんな人生を生きたいのだろう?」
という問いまで掘り下げてみてください。

「自由になりたい」その奥には、
「自分で決めたい」があるかもしれない。

「人に役立つ仕事がしたい」その奥には、
「自分の経験を無駄にしたくない」があるかもしれない。

「会社を辞めたい」その奥には、
「もっと自分らしく生きたい」があるかもしれない。

そして、
「もっと自分らしく生きたい」
その奥には、
「もう、自分ではない誰かになろうとするのをやめたい」
という思いがあるのかもしれません。

まだ、他の誰かになろうとするの?

17.「冒険への召命」はあなたの心の奥から届いた手紙

考えてみれば、
「起業したい」という気持ちは、単なる思いつきではなかったのでしょう。

長い会社員生活の中で、「何か違う」と思ったこと。
一人の時間に、「本当は、こういう仕事がしたい」と思ったこと。
定年を前に、「まだ終わりたくない」と思ったこと。

それらは全部、あなたの心の奥から届いていた、
「そろそろ、自分の人生を生きてみませんか?」
という手紙だったのかもしれません。

その手紙に、すぐ返事をする必要はありません。
怖ければ、迷ってもいい。
「自分には無理だ」と思ってもいい。
一度、閉じてしまってもいい。

でも、その手紙を、
「なかったこと」にはしないでほしいのです。

なぜなら、その手紙こそが、
あなたの「ヒーローズ・ジャーニー」の始まりだからです。


18.あなたは何に呼ばれているのでしょうか?

起業でしょうか。
新しい仕事でしょうか。
第二の人生でしょうか。

それとも、「本当の自分を知ること」でしょうか。

答えは、まだ分からなくてもいいのです。

大切なのは、「自分の心の声に気づくこと」。

そして、その声を無視せず、
「私は、本当はどうしたいのだろう?」
問い続けること。

それが、最初の一歩なのだと思います。

問い続けることが小さな一歩になる

次回予告

「それでも、旅に出られない」
あなたを引き止めているものは何ですか?

冒険への呼び声を聞いた。
「このままでは終わりたくない」と思った。
自分で仕事をしてみたいと思った。

でも・・・、
「そんなこと、今さら無理だ」
「失敗したらどうする?」「家族はどう思う?」
「自分には何の才能もない」「もう若くない」
そんな声が聞こえてくる。

ヒーローズ・ジャーニーの主人公にも、「冒険への拒否」があります。

実は、隠れ内向型の中高年には、もう一つ大きな「拒否」が存在するのかもしれません。

それは、
「起業するなら、もっと外向的な人間にならなければならない」
という思い込みです。

次回は、
「なぜ私たちは、自分ではない誰かになろうとしてしまうのか?」
というテーマから、「冒険への拒否」を掘り下げていきます。

そして、私の場合はどうなのだろう?と思われた方は、
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それでは、また。

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