『いま、カウンセラーはゲームに夢中な子どもとどう向き合えばいいのか?』トークイベントに参加しました
私の専門の一つはアルコール依存症とその家族の問題ですが、依存症はアルコールだけでなく、薬物やギャンブルなど、さまざまなものが対象になります。以下は私が依存症の講演で使っているスライドです。

依存の対象はさまざまであっても、依存症として共通の特徴があります。一方、それぞれの依存症特有の課題もあり一筋縄ではいきません。その中で最近特に気になっていたのが「ゲーム」です。産業医をやっていると、従業員から子どもがゲームにはまっていると相談を受けることがあるのですが、私自身はもう30年以上ゲームをやったことがなく、また最近はCMで見かける、人を殴ったり刺したり撃ったりする戦闘ゲームってどうなんだろう?と思っていたので、どうアドバイスするか迷っていました。そこに「対人支援職向け団体 Assemble」さんから以下のセミナーの案内があったのです。
『いま、カウンセラーはゲームに夢中な子どもとどう向き合えばいいのか?』
トークイベント
- 著者と支援職で、ゲームと心の話をしよう -
2026/4/18 (土)10:00 - 11:30 オンライン
https://assemble-52.peatix.com/
◎本イベントの案内から◎
ゲームは支援現場において、否定的な側面が目立ちやすく、保護者からも「悪いもの」として見られがちです。しかし、本当にそれだけでしょうか。
対話のきっかけになることもあれば、箱庭のように「心を映し出すもの」として機能することもある。ゲームは、子どもや若者の理解を深めるための重要なピースにもなり得ます。
手軽にゲームができるいま、私たち支援職に求められるのは、ゲームの否定ではなく「ゲームの可能性や限界を理解し、うまく付き合っていくこと」なのかもしれません。
そんな中、人生を通してゲームに親しんできたカウンセラーたちが、多様な切り口から「ゲーム」とそれを遊ぶ「人の心」に迫った『いま、カウンセラーはゲームに夢中な子どもとどう向き合えばいいのか?』(遠見書房)が刊行されました。
今回は、著者である長行司先生、笹倉先生をお呼びし、ゲームとの付き合い方を学ぶトークイベントを開催します。事前アンケートでいただいた内容を交えながら、書籍の見どころや、先生方の体験などもお話しいただきます。
さぁ、みんなでゲームと心の話をしよう。
▼ゲーム障害は親子関係の問題?
子どものゲーム障害は思春期の親子関係の問題や学校問題に起因し、ゲームにはまるのはその表現型の一つという話は聞いたことがあり、自分が昔、思春期臨床に携わっていた時と同じ見方でいいんだなとは思ったのですが、一方ではその中毒性についてどう考えたらいいのか、迷っていました。そんなわけで現場の専門家の話を聞いてみたくなりました。
▼あ、プレイセラピーだったか
ちょっと遅刻してオンラインアクセス。最初は長行司研太先生、笹倉尚子先生のお話を聞き流していたのですが、クライアントの好きな本の話題が出て、それをテーマに話が広がることがあるけれど、子どもの場合それがゲームだったりする、というお話を聞いて、あ、そうか、とまず思ったのです。そしてゲームを通していろいろな対話が進んでいくという話を聞き、あ、プレイセラピーってことか!とストンと落ちました。ゲームを媒介として彼らと対話を深めていく。そうすると、それぞれの事情が見えてくる。彼らの本当にやりたいことが見えてくるかもしれない。かつてある自治体の教育センターの嘱託医として数年間仕事をしたことがあり、そこではプレイセラピーもやりました。当時出会った少年たちのことを懐かしく思い出しました。
▼気持ちが楽になった
お二人のお話を聞いていて、ゲームの問題だからと言って構えなくていいんだとだんだん気持ちが楽になりました。さらにお二人の臨床のスタンスが自分の感覚と重なっていて嬉しくなりました。
我々は対象についての情報が十分にないと、ヒューリスティックな判断をしがちです。自分はゲームをしないし、CMで暴力的な映像を見させられている、と感じていると、「ゲーム、困ったな」と考えてしまう。そうなるとそこから思索は深まりません。日頃ヒューリスティックな判断には気をつけているのですが、ワナはあちこちにあるなあと思った次第でもあります。
お二人が執筆した書籍はこちらです。
長行司先生、笹倉先生、そして主催の徳田勇人先生、貴重な機会を作ってくださりありがとうございました。
