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フィンランドの対話って? - 現地で働くワーカーの体験から(やまなしダイアローグの会 2025年4月)に参加してわかったこと

 2025年4月5日(土)、山梨在住の高崎真理さんと当研究所副所長の春日未歩子が運営するやまなしダイアローグの会にオンライン参加しました。たぶん2回目。参加者は15名ほど。
 今回のテーマはフィンランドでソーシャルワーカーとして働いているchisatoさんによる、「フィンランドの対話って?−現地で働くワーカーの体験から」です。chisatoさんは20才でフィンランドに渡り、ホームステイ先でベビーシッターをしながら社会福祉などを学ばれ、あちらの児童相談所などでお仕事をしてきたそうです。

▼「正義、勇気、透明性」が公的なメッセージ

 自己紹介の後の最初のスライドのメッセージは、
「自分でできるようになろう」
の一文でした。何だろう?
 
 次に示されたのがフィンランドの社会保健省のメッセージ。
 vision、value、missionの3文字が示され、さらにvalueの下には
 正義(公平性)、勇気、透明性の3文字が並べられていました。

 正義については、
 人々の平等と機会の平等、倫理的で責任ある行動と価値観に基づく意思決定に取り組む
 人々の様々なニーズを真に理解すること。

 勇気については、私たちは社会改革の原動力です。業務に優先順位をつけ、業務の有効性、効率性を確保するために難しい選択を行っています。

 透明性については、私たちは信頼と活発な対話に基づいてネットワークのような共同作業を行うこと。自分たちの立場をより早くより明確に表明する。
 ステークホルダーとの対話の中で新たな視点が得られれば、それを変更する。

と書かれているのです。またまたスライドを見て考え込んでしまいました。

▼フィンランド社会が求める人物像

 そして次のスライドで、chisatoさんが理解した、フィンランド社会が求める人物像として、
 自分で進んで行動出来る
 批判的思考  出てきた情報について疑いを持つこと
 多文化の環境に柔軟に対応出来る
 ITを使いこなすことが出来る
 2か国語以上が話せるのが理想的
 自分の取扱書を持っている

といった項目を挙げられ、またまた考え込んでしまいました。つい最近、フィンランドは「世界一だまされない国」という特集がありました。批判的思考の教育を受けているからですね。

 そして「子どもが穏やかに遊べる環境づくり〜大人の関わり方 5つのポイント〜」として、
 ラスナオロ
 感情教育
 成長の保証
 適度な距離感
 大人のウェルビーイング

を挙げ、一つひとつ解説してくださいました。 


▼自分でできるようになろう

 繰り返しおっしゃっていたことの一つは、フィンランドは、「あなたの考えはどうなのか?」と必ず聞かれるということ。日本から行ったばかりの頃はそれに答えられなかったそうです。
 もう一つ、フィンランドは小国なので、小国が生き残るためには、国民一人ひとりが「自分でできるようになる」ということが大事で、そのために教育カリキュラムが作られている。移民のためにもそういった教育は行われる。もちろんイスラム教とかいろいろな文化で育った人がいるわけで、「文化のバイリンガル」になるのだそうです。そして「文化の通訳」の役割をする人もいるとのこと。徹底していますね。
 
 一つひとつ理解するのが大変でした、というより十分に理解はできていないのですが、それでも、今までいろいろな機会で聞いてきたフィンランドの話とは符合するので、そうなんだろうなあ、いいなあと思って話を伺っていました。

▼後半はブレイクアウトルームへ:もやもやを言葉にする

 chisatoさんのレクチャーのあと、高崎さんと春日の3人で10分ほどのトークセッションが行われ、その後3人ずつのブレイクアウトルームに分かれ、このテーマについて感じたことを1人が話し2人が聞き、リフレクションするセッションを3回行いました。
 その後全体に戻って、最初に話した人5人とchisatoさんが画面オンで話をするというセッションを3回行いました。こういうやり方があるか、主催者はよく考えているなあと感心しました。
 自分の疑問やモヤモヤを言葉にしていくと、それなりに整理できていくものがありました。特に「モヤモヤ」を聞いてもらえたのはよかった。言葉にできたことで、とりあえずそれはいいやと思えたのです。そうでなければ質疑応答でその話から始めてしまったと思います。それもありでしょうが、それをやってしまっては自分がもっと知りたいことを聞く時間が取れなくなった。言葉にするって大事。

▼政策で人は変われる

 ブレイクアウトルームでは日本との教育の違いという話題が出ました。私もそう感じました。幼稚園から大学まで、一貫する哲学のようなものを感じるのです。しかし一方でフィンランドは1980年代まで自殺大国と呼ばれていました。昔から行われていた教育ならば自殺大国になるようなことはないような気がする。そのことを6人のセッションの際にchisatoさんに質問したのです。
 すると、確かにそうだった。男性の寿命は76才、女性が83才。男性のストレス解消はお酒とサウナ。黙ってがまん。それを変えようとして、まずは酒を国が管理。ビタミンを推奨。それだけでは足りないので、今回紹介してくださった感情教育に力を入れるようになったとのこと。そのポイントは「言語化」。そのために小論文を重視するようになったのだそうです。そういった国全体の改革がここ30,40年で起こっていたのですね。納得です!!ガッテン!ガッテン!ガッテン!と何回も手を叩きました。フィンランド人だからできる、のではなく、科学的に考えられた解決法を元に摂られた政策によって変わってきたのなら、我々でもできるではないですか。それがわかって本当に嬉しかった。
 もう一つ、たまたまブレイクアウトルームでご一緒した方が、組織でのダイアローグ普及に尽力されているそうで、つながることができました。いつかお話を聞く機会を持てればと思っております。
 
 chisatoさん、ありがとうございました!貴重な機会を作ってくださった高崎さん、春日さんにも感謝申し上げます。好評につき、第2回が6月7日(土)に行われるようです。次も楽しみにしております。リンクが公開されたら追記します。

追記
やまなしダイアローグの会から6月の案内が出ました。ご関心ある方はご確認ください。


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