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小さくて大きな革命の話 #マスクドnote企画_13

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初めてコンビニのおにぎりを食べた時、私の中で革命が起きた。


今でこそコンビニ飯に常日頃お世話になっている(最近はコンビニ飯も高いので頻繁にお世話になるわけにもいかない)が、幼い頃はほとんど食べたことがなかった。
それというのも、私の母が健康マニアだったからだ。

スーパーに行けばパッケージ裏の原材料一覧で添加物をチェックするし、健康に良いと言われたものはとにかく試したがった。「これは何に良いの?」と聞いても大抵「身体に」としか返ってこないけれど。

そんな母が作る料理は、漏れなく薄味だ。母の料理に「しょっぱい!」「辛い!」と思ったことは記憶にない。
ある日、遊びに来た友だちが夕飯を食べていった時に「お母さんの料理、薄味でおいしいね!」と言われ、初めて我が家の料理は薄味なのだと気付いた。
母が作る薄味の料理が私のスタンダードだったのだ。

当然、おにぎりの味も薄い。米どころか、具材の鮭すらも薄味だ。しかし、それしか知らない私は何の疑問も不満もなかった。


初めてコンビニおにぎりを食べた理由はもう覚えていないが、食べた時の感動は今でも覚えている。
だって、明らかに米の味が違うのだ。
塩のようなパンチがあるわけでなく、かといって甘いとも言いがたい。この風味をなんと表現すれば良いのか分からなかったが、我が家と比較して味が濃いだけではないことは分かった。
幼い私は、その米の虜になった。

「このおにぎり、コンビニの味がするね!」と言うと、母は「そうね」と言った。以来私は、あの独特の味をずっと「コンビニの味」と呼んでいる。

なお、この後母が「コンビニのおにぎりは色々(添加物を)使っているから…」と続けたので、私は母にこの味のおにぎりを作ってもらうことは不可能だと悟った。


「コンビニの味」としか言いようのないあの味が気になって、少し調べてみた。どうやら家で再現する方法が数年前にSNSで話題になったらしい。

試してみたい気持ちもあるが、コンビニの味は「コンビニの味」のままであってほしい、とも思う。中身を知ってしまったら、「革命」が途端に味気なくなってしまいそうだからだ。

私は、私の中で起きた革命――それはあまりにも些細なことだけれど――を、まだもう少し、大事にとっておきたいのである。



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