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セミの声を聞きながら50色で描く夏

みーんみーん……
今年のセミの声は例年よりも少なく小さい気がすると思いながら、窓の外を見た。


「書くこと」を始めてから2度目の夏。
平日の昼間はパソコンの前に齧り付いていることが多くなった。エアコンの効いた部屋の中で過ごすことは出来るけど、お尻と太ももは1.5倍ぐらいに膨らんだ気がしている。アイスは簡単に溶けるのに、脂肪は夏の暑さでは溶けないらしい。


パソコンをカタカタしている時間は静かで、スマホを使っている時なんかは何の音もしない。耳に響くのはセミの声やトラックの音。


みーんみー………セミは本当にミーンミーンって鳴いてるだろうか。


カタカタ……パソコンを打つ音は本当にカタカタいってるだろうか。


ブロロロ……トラックはみんなブロロロだろうか。クロネコヤマトとAmazonとサカイ引越センターは同じ音で走るのだろうか。



書き始めてからの私はいつもこんなことばかり考えてしまう。ミーンミーン以外にセミの声を、表現する音はないだろうか。

実はエッセイを書くとき、『一般的な表現じゃないオノマトペ』を忍ばせて、伝わるか伝わらないか微妙なラインを楽しんでいたりする。


そこに違和感を持つのか、「聞いたことないけどなんか分かる」と笑ってくれるのか。そして私以外の人に、それはどんな風に聞こえてどんな音で表現しているのか。


50音しかない日本語を、パズルみたいに組み合わせてしっくりくる音を見つけたい。

誰かの表現した独特の表現を見つけて、これはやられた!と膝を叩いてノートに綴りたい。




 これを書きながらずっと、ミーンミーン以外の表現はないものかと考え続けてきたけど、ついに見つからなかった。


「書くこと」はいつだって、孤独で静かで、自分だけに書けるものって何だろう?なんて答えのない問いにぶつかって苦しい。この苦しさを、50音で表現するならなんとしよう、なんてつい難しく考えてしまう。



でも、結局、みんな自分だけの「ミーンミーン」を探していると思えば、なんだか笑えくる。材料は等しく50しかないのに。


いつかミーンミーンを超えるミーンミーンを表現できる日がきたら、「書き続けてよかった」と思える気がする。


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