いつかきっと、人を嫌いじゃなくなる日がくる "創作大賞感想
著者:アルロンさん
”人間が、嫌いだった。”
ハッキリと、一行目でぴしゃりと言われた。
人付き合いが苦手~とか、人見知りで~とか言う人は大勢いるけれど(私もそう)「人間が嫌い」までは思っててもなかなか言える人はいないのではないだろうか。
人間が嫌いになった理由が前半で語られ、北斗の拳で軽やかなトーンしてくれてはいるけれど、実際10代の若者にその仕打ちはきつい。きっと当時は相当に心を痛めたであろうことは想像に難くない。
著者であるアルロンさんは、人間が嫌いだったと言っている。
Kinkikidsとわんこにしか心を開いていなかったアルロンさんがどうして嫌いじゃなくなったのか。その心の動きが、実際に経験したことを元に語られている。
畜産部のこと。
ダンスサークルのこと。
寮生活のこと。
読み進めていくとある部分で目を見開いた。
担当の美容師さんがいて、その方のために4時間かけて散髪にいくなんて、人が嫌いどころか大好きじゃないか!とその誠実さと人に対する真摯な姿勢に驚いた。
大人になった今、アルロンさんは以前よりも人と関わるようになったと書かれている。
勘違いだったら本当に申し訳ないのだけれど、もしかして、アルロンさんは最初から人間のことが大好きだったんじゃないかと思う。こんなに過去のことや関わってきた人のことを鮮明に思い出せるんだから、きっと好きだったんだ。
どうでもいい人のことなんて思い出さないのでは。
そう考えると、「人間嫌いだった僕」なんて存在してないんじゃ……?とタイトルに疑問符が浮かぶのだけれど、これを言ったら彼は本文中から抜き出して「違います」とこんな風に返してくるのかもしれない。
”論文の鬼添削のおかげで、読み手に誤読させないよう配慮した文章の書き方も身につけた。”
人のことが嫌いじゃないかも、と思っている今のアルロンさんの作品が読めたこと、そして「関わるようになった人」のうちの1人でいられることを幸福に、そして真摯に、受け止めさせていただきます。
ありがとうございました✨
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