【詩日記】 オレンジ

オレンジ
 
 
 さようなら
 僕ら初めましてを積み重ねたいだけなんだ
 だけだと気づいたときにはもうさようなら
 君をちゃんと愛さないといけない気がした
 したんです
 そう あのときたしかに
 君と僕の手は夕日を掴んで包んでいた
 夏の夕方みたいだって
 夏の夕暮れの匂いがするって
 嘘じゃないんです
 大量のトンボが宝石を運んでいました
 誰もそれに気が付かない
 でも誰もが確かにわかっていた
 その宝石はあの太陽に運ばれていく
 くるくる回ってキラキラ輝いている
 オレンジの光を浴びてもなお青を放っていた
 淡い光でした
 まるで君と僕の間にあるような
 明日どうなっているのかさえわかりたくない
 淡い光でした
 その光を飲み込むとなんだか良くなる気がして
 手を伸ばしました
 パリンと割れた宝石は
 そのまま粉々になって見えなくなりました
 そうしたら  急に夜が来て
 君が見えなくなりました
 僕は恐る恐る泣いたのです
 君に泣き声が聞こえてしまわないように
 僕の目から流れる液体はやはり淡い青でした
 それを人々は悲しみと呼びます
 僕にはわかりません まだわかりません
 僕の顔を伝う淡い青は
 次第に乾きはじめました
 そのまま透明な四角の幾何学模様の結晶になりました
 それを装飾品にして部屋に飾ります
 四方八方であのオレンジが反射していました

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