妊娠8ヶ月。COVID-19の足音と口頭試問
2019年11月に博論を提出し、通常の後期授業を進める私。
あの悪阻はどこへ行ったのかと思うほど快調だった。
妊娠していても博論は書けた(私の場合)。まぁ常に眠かったけど。
次に待っていたのは2月の「口頭試問」。
ちなみに、当時の私の居住地は本州の雪深い田舎町。
大学院は雪降る大都市・札幌。
この時、妊娠8ヶ月くらいの安定期に突入。
お腹もまぁまぁ大きくなっていたが、身体的にはすこぶる元気で、後期の授業に卒業研究指導、大学入学共通テストの試験監督業務といった、例年通りの業務を粛々とやっていた。
一応、通っている医者にも「2月に飛行機乗って札幌に行きますね、口頭試問を受けるんで」と言っておくか。
そう思って伝えたら、「同行者必須で!絶対に!!」という反応。
うそやん!
えー、同行者(夫or誰か)っている?旅費2倍かかるんですけど。。。
仕方ない。
夫がいても荷物持ちくらいにしかならないけど(ひどい言われようだ)、医者の言うことは聞いておこう。
同じ頃、世界がざわつき始めた。 「新型コロナウイルス」の流行である。
2020年初頭。 連日ニュースで流れる未知のウイルスの情報。
妊婦への影響は? 胎児への影響は?
検索しても「よくわからない」という答えしか返ってこなかった当時。
そんな時期に、再び航空機に乗って、遠方の大学院まで行かなければならない。 正直、嫌だった。怖かった。
今なら迷わず「オンラインにしてください!」と言えたかもしれない。 でも、当時はまだZoomという言葉すら一般的ではなかった時代(たぶん)。
「口頭試問は対面で行うもの」という空気が当たり前だった。
マスクをし、アルコール除菌シートを握りしめ、私は再び空を飛んだ。
口頭試問の教室は、たびたび使ったことのある場所だった。
主査・副査の先生方が並ぶ中、私はちょっぴり大きなお腹を抱えて椅子に座った。最初、先生方は私の体調を気遣う言葉をかけてくださったが、その後は互いに「妊」の文字は忘れたのだと思う。ただただ準備してきた内容を発表し、オーラルディフェンスに挑む私がいた。
そうそう、「お腹の中の赤ちゃんも一緒に戦っているような不思議な感覚」にはならなかったなー(笑)
2019年の夏、妊娠がわかった瞬間に「博論、書けるんかな?」と逃げ腰になっていた私に教えてあげたい。
大丈夫、あなたは眠気に耐えて(耐えられなかった日多数あり・・・)、クッキーを貪り食いながら、未知のウイルスを横目に、なんとか最後までやり遂げるよ、と。
さて、その後は無事に博士号(○○学)を修めることができた私は、日本が静まりかえった「緊急事態宣言」の最中に出産。勤務校の先生方が慣れないオンライン授業に右往左往されているのを学内システムの画面で見つつ、数ヶ月間の育休に突入するのでした。
これで、全3回の博士論文のお話はおしまい。したっけねー。
