「あんぱん」〜愛と勇気だけが友達さ〜

NHKの朝ドラを最初から最後まで観たのは、何十年ぶりだろう?
大好きな今田美桜さんと北村匠海さんが主演ということで初回を観たら、まだ子供時代だった(苦笑)それはさておき、本題に入ろう。
この物語は、皆さんご存知のように「アンパンマン」を描いたやなせたかしさんと、その妻である小松 暢さんがモデルとなっている。
実際のお二人は大人になってから出逢ったそうだが、脚本家の中園ミホ氏は、二人の生い立ちをより深く掘り下げたドラマにする為に幼なじみという設定で、このドラマを書いた。
やなせたかし氏は「大器晩成」と言う言葉が、ピッタリとくる漫画家である。「アンパンマン」が売れるまで、作詞家、絵本作家、脚本家と様々な分野で活躍されていた。
このドラマに私を含め、皆さんが感銘を受けたのは、人生の陽と陰を浮き彫りに描いているからではないだろうか。
幼い頃に二人は父親を亡くして育っている。
崇の母(松嶋菜々子)は自由奔放で、崇と弟のちひろを捨て二度の再婚を果たす。一方、ノブの母(江口のりこ)は亡くなった夫の両親と住み続け、ノブを含めた三人の娘を貧しいながらも立派に育て上げた。
どちらが良いとか正しいとは言えない。当時の女性の生き方は、多分この二つの選択肢しかなかったのだろう。
戦争を体験した崇とノブの二人は、この世の中で「絶対的な何か」を求めて共に生きる。それが「アンパンマン」だった。正義の味方は、本当はカッコ悪くて弱くていい。弱っている人に自分の顔を食べさせ、ボロボロになって、アンパンマンは去っていく。
それが二人が長い間、求めていた「絶対的な何か」揺るぎない正義の姿だった。
「愛と勇気だけが友達さ」
最終回で余命宣告を受けたノブは崇に言う。
「崇さん」
「うん、何?ノブちゃん」
「大丈夫?⋯うちが、おらんようになっても⋯大丈夫?」
崇は答えられない。
もう、ここで私の涙腺は崩壊した。愛しあい信じあい、寄り添って生きてきた夫婦のなんと素晴らしいことか。幼い頃から弱虫だった崇をずっと支えてきたノブの心からの言葉だったのだろう。
崇は弱い、でも二人の愛は強かった(泣)
なにものにもなれなかった
はずの一人の女性ノブを崇は一生を掛けて、やなせたかしの妻としてドラマの主人公にした。
「私の残りの命、崇にあげるね」
崇が出来るだけの治療を施したのだろう。その後、ノブは五年間、元気に生活することが出来た。この時間は神様が二人に与えたギフトだったのかもしれない。
最後に、もう一つの大人の愛のカタチ⋯
ノブの妹 蘭子(河合優実)と八木(妻夫木聡)は、戦争でお互いに愛する人を喪った。二人共、愛しあっていることには気付いているのに、ちっとも一緒にならならなかった。

蘭子の誕生日に毎年、バースデーカードを贈っていた八木は最終週で、遂にカードの中に指輪を忍ばせて贈った。
蘭子に背中を向け、立ったまま窓の外を見つめる妻夫木聡の演技が実に良かった(泣)何も言わずに封を閉じる河合優実も表情だけで、その喜びが伝わってきた(泣)
(余談)
因みに蘭子のモデルは勝手に向田邦子氏だと思っている私は、
「その飛行機に乗ったらダメ!!」
と心の中で叫んでいたけど(苦笑)
(妻夫木聡演じる八木氏のモデルはサンリオを起こした社長)
命は繋がれていく
ただ喪うのではなく、命は受け繋がれていくことを教えてくれた「あんぱん」長い間、本当にありがとう。

こんな優しい崇さんのお嫁さんになれて」

