昭和世代×AI×音楽が紡ぐ「人生うた物語り」NotebookLMと挑む、68歳からの新ビジネス創出論 #創作大賞 #ビジネス部門
はじめに:68歳、私が「AI作詞作曲プロンプトクリエーター」を名乗る理由
2025年11月、私は一つの大きな決断を下した。
「AI作詞作曲プロンプトクリエーター」
68歳になった私の新しい肩書である。
2018年、60歳という還暦の節目に長年住み慣れた香川から東京へと移住した。その後はフリーランスのマーケティングコンサルタントとして、中小企業やベンチャー企業の戦略立案をサポートしてきた。文字通り、ビジネスの最前線で「言葉」と「論理」を武器に戦ってきた人生である。
しかし、生成AI(人工知能)の爆発的な進化を目の当たりにしたとき、私の中に眠っていた静かな、しかし強烈な情熱が頭をもたげた。 「これまでの豊富な人生経験やビジネスでの悪戦苦闘を、一つの形として残したい。そして、同じ時代を駆け抜けてきた同世代の生きた証を、未来へ語り継ぐ仕組みを作りたい」
当初は、自らの経験を電子書籍として出版しようと考えた。生成AIの黎明期からChatGPTを叩き、マーケティングセミナーなどで実務活用していた私は、Canvaを使って表紙をデザインし、AIにタイトルや章立てをプランニングさせるという、いわば「王道」のアプローチからスタートした。
しかし、何かが足りなかった。AIが出力するタイトル案や構成案は論理的に正しく、美しかったが、どこか無機質で、私の胸の奥にある「エモーション」を突き動かすには至らなかった。作業は遅々として進まない。
転機が訪れたのは、2024年6月のことだった。 「生成AIプロンプトエンジニア検定」に合格したのとほぼ同時期に、Googleの革新的なAIツール「NotebookLM」と遭遇したのである。「ほほう、これは面白いツールが出てきたぞ」という直感が、私のビジネスパーソンとしての、そして一人の表現者としての未来を大きく変えることになる。
さらに2024年の秋、私は長年続けてきたマーケティングコンサルタント業からの「卒業」を決意した。「67歳(当時)の今こそ、本当にココロ踊ることをビジネスにしよう!」と自らの棚卸しを行い、徹底的に考え抜いた末に行き着いたのが、以下の「昭和世代×AI×音楽」という掛け算のテーマだった。
豊富な人生経験: 私と同年代、あるいはさらに先輩のシニア諸氏の人生は、波乱万丈でドラマに満ちている。
重みのある言葉: 人生経験に裏打ちされた「生きた言葉」を誰もが持っている。
胸に秘めた想い: 自分ではアーティストのように洗練された表現はできないが、胸の奥底に埋もれた熱い「想い」がある。
テクノロジーへの直感: 1995年のWindows95リリース時、私は「これからはインターネットの時代だ!」と衝撃を受け、翌1996年に38歳でITベンチャーを起業した。2024年に遭遇した生成AIという「言葉のエンジニアリング」には、当時の数万倍のインパクトがあると直感した。
音楽生成AIの爆発的進化: 2024年秋、Sunoなどの音楽生成AIが劇的に高品質化し、プロ顔負けの楽曲クオリティを出力できるようになった。
18年のストリート活動: 50歳から始めたストリートミュージシャンとしての演奏活動は、気がつけば18年を数えていた。これは私のこれまでのどの職歴よりも長い「キャリア」だった。
これらすべての要素が、一本の線として繋がった。 そうして試行錯誤を重ね、2025年現在、私が提唱し実践している新規ビジネスモデルの現在地が、これである。
「あなたの人生をAIと一緒に、一曲の物語り歌にしませんか?」
本稿では、一見すると個人的な「趣味の延長」に見えるこの試みが、いかにしてチャレンジングなビジネスロジックに基づいているか、そしてNotebookLMをはじめとする複数のAIを駆使した「ことばのエンジニアリング」が、シニア市場においていかに巨大なパラダイムシフトを起こし得るかについて、実体験を交えて論理的に解説したい。
と、その前に。音楽テーマでもあるので、
AI×音楽×昭和世代のイメージSONGをお聴きください。
メッセージ・・・
昭和 meets AI 時代はまた変わる
昭和 meets AI 時代をまた変える
第1章:ビジネスツールとしてのNotebookLMとその「限界」
多くのビジネスパーソンにとって、NotebookLMは「強力な情報整理・分析ツール」として認識されているだろう。実際、マーケティングコンサルタント時代の私の使い方も、極めて標準的かつ実務的なものだった。
クライアント企業の決算書、財務諸表、売上データ、SNSのインサイトレポート、そして自ら作成した企画書などをすべてNotebookLMのソース(情報源)として投入する。クライアントごとの専用ノートを作成し、データのクロス分析や、ボトルネックの抽出、プロモーション施策のアイデア出しをAIに行わせていた。
生成AI活用セミナーや企業のDXコンサルティングの現場では、私はいつもこのようにレクチャーしていた。 「公的な補助金制度の要項PDFをそのままNotebookLMに入れてください。そうすれば、高額な報酬を払って中途半端なコンサルタントを雇う必要はなくなります。質問すれば、AIが申請に必要な要件を即座に教えてくれます」 「就業規則や賃金規定、組織図をソースとして社内に共有すれば、総務部署への細かな問い合わせは激減します。業務効率化の特効薬です」
当時の私のスタンスは、「生成AIのことは生成AIに聞いてください。どのようなプロンプトが良いかも、私に聞く前にまずAIに問いかけてみてください」というものだった。「すぐ、私なんか不要になりますよ」「あなたが自走してください」と。徹底的な効率化とロジックの構築。それこそがコンサルタントとしての私の価値だった。
しかし、2025年の夏、私は気づいた。 NotebookLMの本当の恐ろしさと可能性は、こうした「お堅いビジネス文書の要約や効率化」にあるのではない。人間の内面にある「記憶」や「感情」という、最も非構造的で、最も言語化が難しいデータを扱い、それを「感動」という価値へと昇華させるプロセスにこそ、真のイノベーションがあるのではないか、と。
私は「人生をAIと一緒に一曲の物語り歌にする」というビジネスモデルを社会に提案するにあたり、まずは最初のクライアントとして、自分自身の人生を実験台にすることにした。
私自身の膨大な「人生のログ」を、NotebookLMというブラックボックスに放り込む旅が始まったのである。
第2章:31のログが証明する「言葉の資産」の再発見
NotebookLMの優れた機能の一つに、投入されたクローズドなデータだけでなく、インターネット上の公開情報を統合して分析できる「ウェブ検索ソース機能」がある。私はソースの検索窓に「三野晃一」と入力し、デジタル空間に散らばる自分の足跡を網羅的に収集させた。
結果として、AIは私が忘れていたような過去のブログ記事や、意外な場所での紹介ページ、過去のプロジェクトの断片を次々と引っ張ってきた。
人間は、自分の過去を驚くほど忘れてしまう生き物だ。しかし、デジタルプラットフォームに刻まれたログは嘘をつかない。私が「現在ソースにアップされている情報のタイトルだけを、リスト化してください」と指示したところ、NotebookLMは即座に以下の31件のソースリストを吐き出した。
【NotebookLMに読み込ませた「三野晃一」の構成資産:31件】
54歳からのあしたてんき。ニナレ。
55才から8年で6回目の転居が、もうすぐはじまる。
63才を越えても‟その時に住むべき場所に住む”ために引越しを繰り返す人生は、無謀過ぎますか?ね。「あしたの人生への先行投資」のつもり。
|三野晃一7/4、noteを始めた日、名刺を新しくしてみた。いや、名刺を新しくしてnoteも始めてみた、2020年半分過ぎ。かな。
|三野晃一Life work of Koichi rookie Sanno (Webサイト構造データ)Profile - Life work of Koichi rookie SannoSHort1 昭和世代×AI×音楽プロジェクト
(YouTube動画)Web企画制作から生成AI導入コンサルタントへの軌跡〜三野晃一さんインタビュー -
noterookie' style 言葉にできないロッカバラッド(オリジナルアレンジcover)
(YouTube動画)rookie's style 千の風になって(オリジナルアレンジcover)
(YouTube動画)rookie1957@street - ストリートミュージシャンrookie1957オリジナル「会いたい」with宮崎功/at 高松RUFFHOUSE~世界初
★コールアンドレスポンスで観客の数だけの「歌詞」生まれてシャウトする
★あなたの会いたい人の名前を
★ (YouTube動画)rookie_Styleいつも何度でも@渋谷ズンチャカ2025 センター街入り口「門」 (YouTube動画)rookieの皆で唄ってみたショートショート
黒の舟唄~ろくでなし~いつも何度でも (YouTube動画)
rookieオリジナル「会いたい」コール&レスポンスVer.@アコパラ島村楽器・錦糸町パルコ店 (YouTube動画)
「ろくでなし」アコギで自由なシャンソンを謳う!シリーズ @rookie1957 (YouTube動画)
「愛の賛歌」アコギで自由なシャンソンを謳う!シリーズ@rookie1957 (YouTube動画)
ずっと検索で生きて来た。検索で生かされて来た~since1995~検索で出会ったひとたちと紡いで来たビジネス人生、これからも~そして
福祉×3Dプリンタも|三野晃一七夕の日、小学生と3Dデジタルものづくりの話をはじめる。の、前夜のnote。
|三野晃一三野 rookie 晃一(rookie1957)のプロフィール -
CAMPFIRE三野晃一演出事務所 (Webサイト)
三野晃一演出事務所 - YouTubeチャンネル
拡がれ!日本の音楽A!~SUNOを語る!日本Suno AI作曲家協会(JSAC) meets 昭和世代×AI×音楽プロジェクト
「昭和 meets AI」 (YouTube動画)拡がれ!昭和世代の音楽AI体験。
人生を豊かにするヒント満載の体験会を開催したい! (CAMPFIREプロジェクト)
旧三野晃一演出事務所TOP - Life work of Koichi rookie Sanno活動報告一覧 -
CAMPFIREクラウドファンディング観客と一緒にコーラス&歌ってみた
「いつも何度でも」シニアなストリートミュージシャンのオリジナルfunkyアレンジ Scrap&Build Music (YouTube動画)
音楽AI体験イベントインタビュー|昭和世代×AI×プロジェクト」0518@幕張ベイタウンまつり (YouTube動画)
(三野晃一)履歴書・プロフィール・職務経歴書0901_2025.pdf独自の音声・映像メディアアーカイブその他SNSおよび外部発信メディアの統合ログ
このリストを客観的に眺めたとき、私はある重要なビジネス的真実に気づいた。 ここにあるブログ、note、Webサイト、クラウドファンディングの企画書、YouTubeの解説文、そして職務経歴書は、すべて「私が自分自身の言葉で書いたもの」である。 Jimdoを使って自力で立ち上げたホームページも、必死で支援を募ったクラファンの文章も、そこには私の熱量、挫折、思想、すなわち「三野晃一の純度100%の言葉の資産」が凝縮されていた。
シニア世代の多くは、「自分には語るべき大層な実績などない」と謙遜する。しかし、それは間違いだ。 30年、40年と社会を生き、働き、家族を支え、あるいは趣味に没頭してきた過程で、誰もが必ず膨大な「言葉の資産」をどこかに残している。日記、仕事の報告書、家族への手紙、あるいは単なるSNSのつぶやきであってもいい。
それらを一箇所に集約し、AIという「客観的な壁打ち相手」に委ねることで、自分一人では決して到達できなかった「68年の人生の棚卸し・整理整頓・自分を深く知る旅」が可能になる。これこそが、本ビジネスモデルのコアとなるデータ・プロセシングである。
第3章:ハイブリッドAIワークフロー:感性と論理を融合する「ことばのエンジニアリング」
では、具体的にどのようにして無機質なデータログから、魂を揺さぶる「歌詞」を紡ぎ出し、さらには「楽曲」へと昇華させるのか。私が開発した、NotebookLM、天秤AI、そしてSuno AIをシームレスに組み合わせる「ハイブリッドAIワークフロー」の手順を公開する。
一発のプロンプトで名曲が生まれるほど、音楽の世界は甘くない。ここには、人間のディレクション(人力)とAIの演算能力を交互に掛け合わせる、緻密なロジックが存在する。
【人生をうた物語にするハイブリッドAIワークフロー】
[1. データの集約と客観化]
NotebookLMへ人生のログ(31のソース)を投入
▼ プロンプト:「三野って、どんなひと?」
▼ AIによる客観的分析の出力
[2. ストーリーの多角化(タイプライターモード)]
▼ プロンプト:「人生をまるごと一曲の歌にする。タイトルとストーリーを10案出して」
▼ 10の異なる切り口のストーリー生成
[3. 哲学的・詩的リファイン(人間による評価と修正)]
▼ フィードバック:「説明的すぎる。行動の本質を読み取り、哲学的・詩的にして」
▼ AIによる再考・歌詞の初稿(2案)生成
[4. 複数AIによる「天秤(クロス)検証」]
初稿歌詞 + NotebookLMの分析結果 ──> 【Google Gemini】へ投入
▼ プロンプト:「独自の独創的なタイトルとストーリー、歌詞案をさらに2案作って」
▼ 異なるアルゴリズムによる歌詞のブラッシュアップ
[5. 人間による「最適解の統合」]
Excel等のスプレッドシートへ全案をマッピング
フレーズの組み合わせ、個人的なリアルエピソードの追加、エディット
[6. 音楽生成AI「Suno」へのブリッジング]
イメージする曲調(日本語) ──> 【Gemini】でSuno専用の英語Styleプロンプトへ変換
▼ Suno AIへ歌詞と英語プロンプトを投入 ──> 「人生うた物語り」の完成
ステップ詳細と対話のダイナミズム
まず、NotebookLMに「三野って、どんなひと?」と、あえてオープンな質問を投げる。AIは31のソースを瞬時に読み解き、極めて客観的でフラットな「三野晃一像」を紡ぎ出す。 それを出力された画面(タイプライターモードで文字が滑らかに打ち出されていく瞬間は、自分の人生が映画の字幕のようになっていくようで、実にエキサイティングだ)で人間がしっかりと読み解き、評価を与える。
次に、「ありがとう。それでは、三野の人生をまるごと一曲の歌にします。まずタイトルとストーリーを10案考えて」と指示を出す。ここでAIは、10の異なる角度から私の人生を切り取ったコンセプトを提示してくる。
しかし、最初の出力は往々にして「説明的すぎる」傾向がある。履歴書をそのままなぞったような生々しい歌詞では、音楽としての芸術性や普遍性が薄れてしまう。そこで、ここからが「プロンプトクリエーター」としての腕の見せ所となる。
「ちょっと説明的すぎますね。もっと経歴や行動の本質を読み取って、哲学的・詩的なタイトルとストーリーにしてください」
この修正指示により、AIは単なるデータの要約から「芸術的な昇華」へとギアを切り替える。がんばって再考されたプロットの中から、私は「3番目」のタイトルとストーリーを選択し、「歌詞を2案、ライティングしてください」と命じる。
これまで社内規定の要約や経営分析に使っていたNotebookLMが、突如として情緒的で、韻を踏んだ見事な歌詞を吐き出す。そのギャップとクオリティに、初めてのユーザーは必ず驚嘆する。
「天秤AI」によるクロス検証と、Sunoへの最適化
私は一つのAIの回答だけで満足するタイプではない。というか、信じてない。ビジネスにおいて経営者がコンサルタントにセカンドオピニオンを求めるように、私はNotebookLMが生成した歌詞2案と分析結果を、今度は「天秤AI」の数十のAIモデルの中から6つ選び、投入する。
「三野の人生をまるごと一曲の歌にします。下記の分析情報やタイトル・歌詞案を分析して、あなたなりの独創的なタイトルとストーリー案をさらに2案つくって」
アルゴリズムの異なる二つのAIの脳を通すことで、表現の幅は一気に広がる。私はこれらのアイデアをエクセルのシートに並べ、タブを切り替えながら、人間ならではの直感とこだわりで「最適な解」へとパッチワークのように組み合わせていく。AIの回答にインスパイアされ、自分の中から湧き出てきたリアルなフレーズや、あえて泥臭い言葉をそこへ追加する。
歌詞が完成したら、最終工程である音楽生成AI「Suno」への投入だ。 Sunoは日本語での曲調指示よりも、英語プロンプトの方が圧倒的に制作者の意図(音楽ジャンル、テンポ、楽器構成、空気感)を正確に再現する。ここでもGeminiを翻訳・プロンプト生成エンジンとして活用する。
「1970年代の日本のフォークロックをベースに、アコースティック・ギターの切ないカッティングと、しゃがれた男のボーカル。後半にかけてストリングスが加わり、ドラマチックに盛り上がる。BPMは85」
このような日本語のイメージを天秤AIに渡し、Sunoが最も理解しやすい洗練された英語の「Styleプロンプト」へと変換させる。 6種類が一度に出来る。この一連の、AIと人間がキャッチボールを繰り返す高度な調律作業こそが、私が確立しようとしている「AI作詞作曲プロンプトクリエーター」という新しい職業の本質なのである。
ここからが、人間の仕事。LMと6つのAIの分析や提案、フレーズや単語を読み込む。
そうこうしていると、これらの多様なAI会社のロジックが投げかけて来る豊潤なイメージにインスパイアされて、コピーを書きたくなる。
フレーズを思いつく。一部をリライトする。
最後に全部、リライトする。
第4章:市場性と心理学的価値:「ナラティブ・セラピー」としての音楽AIビジネス
こうして完成したのが、私の人生の集成、『人生うた物語り〜rookieと名乗ったストリートミュージシャンのLife Song』という楽曲である。完成した曲に合わせ、AIに入れた実際の出来事やログと、そこから生まれた歌詞を対比させた動画を制作した。
客観的に見れば、一つの疑問が浮かぶはずだ。 「他人の人生の歌など、一体誰が聴くというのか? 究極の自己満足ではないか」
確かにその通りかもしれない。私のこの曲を、見ず知らずの他人が進んでプレイリストに入れる確率は低いだろう。しかし、ビジネスの視点を「マス市場」から「個人のディープな幸福度」へとシフトしたとき、この試みは恐るべき付加価値を生み出す。
私はこの自作の曲を、パソコン作業をしながら何度もリピートして聴いている。 相方(妻)と夕方にウォーキングをしながら、一つのイヤホンを分け合って聴くこともある。 ベランダでラジオ体操やストレッチをする時、そのバックに流れているのもこの曲だ。 自分の人生を少し振り返りながら、肯定しながら生活できる。これが、驚くほど心地よく、豊かな時間を創出してくれるのだ。
この現象をビジネス的、心理学的に解き明かしてくれたのが、私の人生の相方であり、キャリアコンサルタントとして2,500人以上の傾聴・カウンセリングを行ってきた専門家「となきち」だった。彼女は私の作業プロセスと、その後の私の心理的変化を観察し、こう指摘した。
「あなたがAIを使ってやっていることは、心理学でいうところの『ナラティブ・セラピー(物語療法)』そのものよ。それが『音楽』という媒体になることで、癒やしと自己肯定の効果が何倍にも膨れ上がっているの」
ファクトチェックを兼ねてAIリサーチを行ったところ、この「人生うた物語り」ビジネスが持つ潜在的価値は、以下の3つのロジックで説明できることが判明した。
1. 自己振り返りの効果(客観性と情動の融合)
人間の記憶は主観的で、時に歪んだり、ネガティブな側面に囚われたりしやすい。しかし、NotebookLMによって客観的な「データ」として自分の歴史を抽出し、さらにそれを「メロディー」と共に繰り返し聴くことで、自らの歴史を高い視点から客観視(メタ認知)できるようになる。音楽という感情的な媒体を介することで、抑圧されていたポジティブな記憶や、当時の純粋な感情が深く蘇る。
2. 自己肯定感の向上メカニズム(リフレーミング)
自分だけが知っている泥臭い体験や、報われなかった努力、ささやかな喜びが、AIの手によって美しい「歌詞」として表現される。それは「自分の人生には価値があったのだ」という特別感をもたらす。心地よい曲調に乗せて自らの過去を聴く体験は、過去の失敗や挫折を「人生というドラマの必要な伏線だった」と肯定的に再構成(リフレーミング)する強力な心理的効果を持つ。
3. 「自己満足力」という新たな市場価値
現代社会は、SNSの「いいね」の数や他者からの評価に依存する「他者承認」の病に侵されている。しかし、シニア世代が幸福に生きるために最も必要なのは、他人の評価ではなく、自分自身が自分の人生に納得し満足する力、すなわち「自己満足力」である。誰に聴かせるためでもない、自分だけが100%満足する喜びを持つこと。そこにこそ、成熟したシニア向けビジネスのブルーオーシャンが存在する。
かつて、シニア向けの「自分史作成サービス」というビジネスが流行した。
(今もなお、もちろん、その業界が営々と続いているが) 数十万円から数百万円の費用をかけて立派なハードカバーの本を数百部印刷し、親戚や知人に配るというものだ。しかし、その実態はどうだろうか。分厚い文章の自分史は、身内であってもほとんど誰も読まない。本棚の奥で埃をかぶるのがオチだった。
しかし、「人生うた物語り」は違う。 たった3分から5分の音楽である。スマホに入れていつでも、何度でも聴くことができる。文章を読むのは億劫でも、音楽なら日常の背景として生活に溶け込む。自分史が「他人に読ませるための重荷」だったのに対し、音楽AIによる人生歌は「自分の心に寄り添う一生の財産」へとパラダイムシフトを遂げるのだ。
結論:AIがもたらす「人生の仕舞い方」のDX
30年以上、ビジネスの世界で企画書や提案書を書き続けてきた人間として、私は時折こう思うことがある。 「もし、20年、30年前の現役バリバリのビジネスマンだった時代に、この生成AIとNotebookLMがあったなら、私はどれほど効率的に仕事を終わらせ、もっと早く家に帰ることができただろうか」
しかし、テクノロジーの神様は、私に別の役割を与えてくれた。現役を退き、人生の後半戦を迎えた「今」だからこそ、このツールを使ってできる最大の社会貢献がある。
それは、効率化のためのAI活用ではなく、「人生を豊かに締めくくるためのAI活用(人生の仕舞い方のDX)」である。
私は、自分自身の手法を用いて、相方である「となきち」の人生の一曲もプロデュースした。彼女の豊富なカウンセラーとしてのキャリアと、内に秘めた想いが見事な楽曲へと昇華されたプロセスは、彼女自身のnoteでも大きな反響を呼んでいる。彼女が感動し、涙を流した瞬間を見たとき、私はこの「AI作詞作曲プロンプトクリエーター」という仕事が、確かな社会的需要と、人を救う力を持っていることを確信した。
2025年の秋、私は68歳にして、全く新しいビジネスのスタート地点に立っている。 私のNotebookLMには、これからも新しい日々のソース、新しい挑戦の記録が次々と追加されていくだろう。
「人生、色々あったけれど、悪くない道のりだった」 すべてのシニア世代が、自らの人生の特等席で、自分の歌を聴きながらそう微笑むことができる世界を作りたい。心地よい自己肯定感を、音楽という最高のギフトに変えて、一人でも多くの同世代の皆さまへ届けていくこと。それが、ITベンチャーの黎明期を駆け抜け、音楽を愛し続けた、私という一人の「言葉のエンジニア」の、生涯最後の、そして最もエキサイティングなミッションである。
さあ、あなたの素晴らしい人生のデータを、私に預けてみてほしい。 AIと一緒に、世界でたった一つの、あなたの物語りを歌にしよう。
ー 完 -
作者プロフィール
三野晃一。
1957年尾道市生まれ。市川在住。
三野晃一演出事務所 代表
商業演出家 業務改善・DX/AI導入伴走コンサルタント
AI Life Song Writer Atelier 主宰 (商標登録出願済)
AI作詞作曲プロンプトクリエーター
日本AI音楽学会 正会員
ストリートミュージシャン
