【EZ Sign 開発物語 ⑭・最終回】終わらない進化。物理的限界に挑む新サイズと、広がる「魔法のアクセサリー」
こんにちは!Santek(サンテクノロジー)のCEO、矢次です。
前回の第13回では、
日米でのレビュー評価の違いから見えてきた「NFCの物理的な壁」と、
そこに対する私たちの徹底したUX(顧客体験)改善の取り組みについてお話ししました。
まだ読んでいない方はこちらから!
さて、全14回にわたってお届けしてきた『EZ Sign NFC 開発物語』も、
いよいよ今回がシリーズ最終回となります。
しかし、これはあくまで「連載の一区切り」に過ぎません。
現在も、既存製品の継続的な改善や、
全く新しい製品ラインナップの開発は、これからも熱く続いていきます。
最終回となる今回は、私たちの今の戦い、
そして「これからのEZ Sign」がどこへ向かおうとしているのかをお話しします。
🛠 たかがケース、されどケース。
妥協なきアクセサリー開発
現在、EZ Signの1個セットには専用スタンドとクリップを同梱し、
オプションでネックストラップ(ランヤード)を販売しています。
しかし、お客様からは
「もっと色々な場所に付けたい」
「落としても大丈夫なようにしたい」
というお声を数多くいただいています。
そこで現在、活用シーンをさらに広げるための
キーチェーン、キーホルダー、専用額縁、
そしてスマホでお馴染みの「TPUケース」の開発を
急ピッチで進めています。
しかし、このアクセサリー開発が想像以上に難航しているのです。
例えばTPUケース。
柔らかい素材で本体を包み込むシンプルな作りに見えますが、
実はEZ Signの内部には非常に薄いガラス基板(EPDパネル)だけでなく、
薄くて細長いドライバーIC(半導体)も組み込まれています。
そのため、お客様がケースを着脱する際に本体が少しでも「たわむ」と、
中のガラスやICが割れてしまうリスクがあることが判明しました。
さらに、ケースと本体が密着することで「水紋(レインボーエフェクト)」
という見た目の外観不良が発生することも分かりました。
「製品を守るためのケースが、製品を壊す原因になっては本末転倒だ」
私たちは、0.55㎜の化学強化ガラスや
0.65mmと0.8mmのポリカーボネート(PC)レンズで強度を比較したり、
一定の高さから鉄球を落とすドロップテストを何十回も繰り返したり、
水紋を防ぐために表面にAG(アンチグレア)処理を施したりと、
企画・設計・試作・サンプルのチェックのたびに発生する問題と格闘しています。
何一つとしてスムーズに進むことはありませんが、
チーム全員で問題点の分析と改善方法を協議し、
決して妥協せずに最高のものを提供しようと奮闘しています。
✈️ 日・米・中を飛び回る、
執念の「モノづくり」と展示会での大きな反響
こうした終わりのない改善(Continuous Improvements)を
スピーディに回すため、私自身もアメリカから中国や日本へと
年に10回ほど足を運び、現場で陣頭指揮を執り、
よりよいEZ Signを提供できるように努めています。
また、日本のベテランエンジニアたちも頻繁に中国工場に入り込み、
現地の開発チームと共に開発を進めています。
特にEZ Sign NFCを立ち上げた昨年は、
日本の技術者たちは一年の半分近くを中国工場で過ごしたほどです。
言葉や文化の壁を越え、
激しく意見をぶつけ合いながら一つの「魔法の板」を磨き上げていく。
これこそが、私たちSantekの最大の強みです。
さらに本年度は、開発だけでなく普及活動にも力を入れており、
日本、アメリカ、中国などで開催される国際展示会に
年10回以上ものペースで積極的に出展しています。
各地の展示会場で実際にEZ Signを手に取り、
「スマホをかざして画面が書き換わる瞬間」を
体験していただいた皆様からは、
「本当に電池がないの!?」
「魔法みたいだ!」と大きな反響と驚きの声をいただいており、
それがチーム一同の終わらない進化への何よりの原動力となっています。

🚀 「もっと大きく、もっとカラフルに」への
挑戦と決断

EZ Signをご愛用いただいている皆様から、
「もっと大きいサイズ(7〜13.3インチ)が欲しい」
「青や緑も表現できる6色モデルが欲しい」という
熱いご要望を日々いただいています。
私たちも、そのご期待に一刻も早く応えたいと開発を進めています。
しかし、
ここにも「NFCの物理的限界」という巨大な壁が立ちはだかりました。
サイズが大きくなり、
表現する色数(2色→4色→6色)が増えれば増えるほど、
送信すべき画像データのサイズは桁違いに跳ね上がります。
現在主力となっている4.2インチの4色(4C)モデルでも、
NFCによる電力供給、データ転送、
そして電子ペーパー内部のマイクロカプセルの移動(リフレッシュタイム)には約25〜30秒かかっています。
これ以上時間が長くなると、途中でスマホが動いてしまい、
エラーになる確率が格段に上がってしまいます。
そもそも、
スマートフォンのNFC規格はそこまで大きなデータを送るようには
設計されていません。
開発テストを繰り返す中で、
スマートフォン自体に「NFCの連続通信時間の制限(秒数制限など)」が
存在する機種があることも分かってきました。
そこで私たちは、苦渋の決断を下しました。
EZ Signの命である
「電池不要・配線不要」
「スリムでスタイリッシュ」というコンセプトを維持したまま
大型化できる限界ラインとして、秋に投入予定の7.5インチモデルは、
あえて「2色(2C)モデル」のみに絞ることにしたのです。
何度もテストや協議を重ねましたが、このサイズでの4色や6色は、
NFCでは書き換え時間が長くなり、お客様への負担が大きすぎます。
電池やBluetooth、Wi-Fiといった
別の手段を使わなければ実現できないため、
NFC版でのカラー大型化は断念しました。
🎯 次なる一手:
2026年Q4に向けた怒涛の新ラインナップ
大型カラーモデルをNFCで実現するのは見送りましたが、
私たちの攻めの姿勢は止まりません。
現在、2026年の第4四半期(Q4)中の市場投入に向けて、
以下の新機種の開発を急ピッチで進めています。
1.54インチ 4Cモデル(可能なら6Cも):
キーホルダーやドッグタグ(ネームタグ)に最適な極小サイズ3.7インチ 4Cモデル(もしかすると6C):
ポートレート(縦型)タイプで、社員証やイベントバッジとして4.37インチ 2C/4Cモデル:
2.13インチや2.9インチと同様のバー(横長)タイプ。
小売店などでの「棚札」としての活用はもちろん、
お客様の自由なアイデア次第でさまざまな使い方ができる形状です。
これらが加わることで、EZ Signの利便性はさらに飛躍的に高まります。
そして並行して、「どうしても大型で多色を使いたい」というニーズに応えるため、現行の完全電池レスNFCとは少し違うコンセプト(技術)を使い、
大きなサイズや6色のEZ Signを提供できるように研究開発を進めております。
これには設計、試作品製造、各種試験、PDCAと時間がかかりますが、
めどが立ち次第、公式ホームページやSNS、
そしてこのnoteでも情報をアップデートさせていただきます。
🙏 最後に:すべての皆様へ感謝を込めて
全14回にわたる長編開発ストーリーに最後までお付き合いいただき、
本当にありがとうございました。
「紙の無駄をなくしたい」
「現場の不便をテクノロジーで解決したい」
という想いから始まったこの挑戦は、
日米のクラウドファンディングでの熱狂を経て、今や世界中のお客様の手に届く製品へと成長しました。
購入してくださったお客様。
興味を持ってこの物語を読んでくださった方々。
皆様の存在があったからこそ、
私たちは数々の技術的な壁を乗り越えることができました。
すべてに心より感謝申し上げます。
EZ Signの進化は、これからも続きます。
引き続き、私たちの挑戦を温かく見守り、
応援していただけますと幸いです。
また新たな情報をお届けできる日を、楽しみにしています!
San Technology, Inc. (Santek) Founder CEO 矢次国博
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