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会社の表彰はコスパ最強の社員管理術

先日、会社のイベントが開催されて久しぶりに本社のある東京まで赴くことになった。全社員参加のミーティングではあるが、同時に会社の節目を祝うパーティーも開催され、会社の功績を讃えつつ、社員の日頃の業務を労う場としても大いに盛り上がっていた。

そのイベントで数名の社員の会社への貢献を讃える表彰がなされ、なんと僕も受賞することとなった。

今回は業績に対してではなく長年の勤続による貢献を表彰される内容だったが、人員の入れ替わりが激しいベンチャー企業において長く勤めていることは讃えられるべき誇らしいことなのかもしれない。非常に嬉しい気持ちになれた。

壇上にあがり、社長がこれまでの貢献を語ってくれる。そして賞状と花束、金一封(中には商品券が封入されていた)を渡され写真撮影をする。頑張ってきて良かったと思える瞬間である。

だが、ここで俯瞰的な考えが僕の中で働いた。この表彰にはいくらのコストが掛かっているのだろう。そんな事を考えてしまった。

商品券は10,000円分、花束は調べてみると5,000円、賞状の作成も2,000円くらいだった。もちろん、会場の予約や準備に掛けた人件費も含めた諸々の経費は膨大になるが、個人の表彰に対してのコストはおよそ20,000円前後くらいだろうか。

こうして考えてみると、実は企業側からすると「表彰のコスパ」は物凄く良いものだとわかる。20,000円で長年勤続してくれた社員に更なる忠誠心を持たせることができるのだ。

報酬というかたちで社員を繋ぎ止める方法もあれば、企業の理念を定着させたり顧客の声を社員に届けることでやりがいを感じてもらったり、社員を会社に残すための方法は様々なものがあるが、表彰という方法は極めて効率的なことだと知ることになった。

企業は金銭的コストを抑えつつ、社員の「承認欲求」や「帰属意識」という非金銭的な報酬を提供することで、極めて効率良く人材を繋ぎ止めているようだ。

だけど誤解はして欲しくない。こういった冷めた視点を持って「企業は低コストで社員を搾取しようとしているから騙されるな」ということを言いたいわけではない。低コストで人材を繋ぎとめようとするのは、企業として当たり前だし合理的な判断だと思う。

僕はこの体験を通して、報酬を「給与」という単一の要素ではなく「金銭的報酬」と「貢献の充足感(承認欲求の充足)」という二つの要素に分解して捉えることができるようになった。その結果、割と承認欲求の充足を求めていたことが理解できた。普段から金持ちになりたいと思っている割に、案外こっちの方が気分が良くなるものだと知って自分でも少し意外だったのである。

こうして給料だけでなく複数の「報酬」を経験することで、社員は自分が仕事に何を求めているかを客観的に見つめ直せる。自分のモチベーションの源泉を把握でき、更には表彰までされているのならば、自分の会社への貢献度とそれに紐づく能力は誇っても良いだろう。こうして考えると、自分の市場価値を知る有益な機会な気がしてきた。

企業は低コストで忠誠心を買い、我々は低コストで自分の市場価値を測る。色々な企業でこのコスパの良い「表彰」というシステムが採用されている理由を身をもって知ることができた。

「会社の表彰はコスパ最強の社員管理術だ」なんて斜に構えず、企業はコストを抑え、社員は自分の価値を知ることができる、ウィンウィンな良い機会だと捉えるのが得策な気がする。

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