結局働く日本人|停滞ディストピアと民主主義の壁

chatGPTのプロモデルにOperatorという機能が搭載され、一部のユーザーが利用しているらしい。

この機能を調べてみると、実際に人間の雇用に影響が及ぶイメージが湧くようになってくる。いわゆる「AIに仕事が奪われる」現象が現実になってきているということだ。

これはブラウザ上での人間の操作を判断も含めてchatGPTが実施してくれるというもので、例えば企業側が採用サイトに応募があったユーザーに対してのステータス変更や返信などの操作を代替してくれるというものだ。

ここまで具体的な現場にまで生成AIが来たことに少し驚いてしまう。仕事の大半がブラウザ上の操作だという人は実際に多いと思うが、それはもはや代替されてしまう仕事になったということだからだ。

ホテルや飛行機の予約、SNSへの投稿、ウェブ検索からデータ分析まで、AIが自ら外部サービスとやり取りしながらタスクを遂行してくれる。

IT企業や先見の明のある役員が多い会社では、こういった合理的判断と生き残りをかけた戦略が実行されると思う。

さて、それでは遂に人間の仕事は奪われてしまうのだろうか。これはあくまで肌感での予想だけれど、僕はまだまだ奪われないと思っている。

それは何故かと言うと、こういった時流に乗る会社がどれだけあるかということが甚だ疑問であり、結局のところ人間がぽちぽちとPC操作をするデータ入力業務はしばらく残るんじゃないかと考えているからだ。そう、ネガティブな意味で「人間の仕事は残る」と思ってしまっている。

僕もよく仕事で業務改善の会議をするが、その時に人間が頑張ってデータを手入力すること前提でオペレーションを考える社員は多い。わざわざその思考を指摘はしないけれど、「AIができる仕事」も「AIにやらせよう」という発想にならない人が大半を占めている。

そうすると「AIにやらせよう」という意見を誰かが出しても却下されるのが人間の組織であり、AIに代替させて人員削減して大幅にコストカットするぞ、という判断をするのも人間だ。こういう場面でも民主主義が機能している。

野村総合研究所(NRI)の調査だとChatGPTの利用率は、2024年10月時点で20.4%しか存在しない。ホットな話題が多い割に、実際の利用者数はこんなにも少ないのだ。

だから、幸か不幸か多くの業界では、しばらくの間は冗長的な作業でさえも人間に仕事が残る可能性がある。そうして生産性は上がらぬまま、しかし雇用は残ったまま、少しずつ停滞していくような気がする。

それはそれであまり明るい未来ではないと思うのは僕だけでははずだ。

従来思い描くディストピアというのは、高度に効率化されて機械に人間が支配される類のものだったけれど、人間が仕事にしがみついてゆったりと停滞して企業間で格差が増大するのも、これはこれでディストピアなのでは?と思ってくる。

全世界が「もう少しのんびりした進歩で良いですよね?」と同意して仕事に取り組んでくれればいいのだけれど、残念ながら世界は物凄い速度で成長を続けているので、僕らももう少し前向きにテクノロジーをキャッチアップした方が良さそうである。

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