「肉を食え」という人たち|仕事人間とヴィーガン
先日、職場の同僚が仕事のプレッシャーに押し潰されてしまい、ひとつの担当を降りることになってしまいました。
ホッとした様子と酷く落ち込んだ様子が入り混じり、今後の処遇も気になるところで、彼宛てに上司から電話があったそうです。
その電話では、𠮟責もありながら労わる言葉もあったようで、同僚は酷く感動をしていた様子でした。
最期に、今後の成長も見越して「自己管理の大切さ」を助言されたようで、「スマホを見過ぎて現代の過剰な情報に巻き込まれないようにする」ことや「ひとりの時間を作る」ことなどを助言され、そして最後に「肉を食え」と助言されたようです。
最期にやたらとシンプルで動物的な「肉を食え」という助言に何言ってんだ?と思っていたところ、同僚は素直に週末に焼肉を食べに行っていたようです。
確かに仕事にコミットしている人は肉を食っているイメージはあるかもしれません。ホリエモンとか。その上司もガツガツした性格でいかにも肉を食ってエネルギーを蓄えている印象があります。
他にも「サウナに行け」とか「筋トレしろ」とか、そういった助言をされる度に彼は素直にサウナに行って筋トレをしていたとか。真面目な性格であるがゆえに潰れてしまったんだなと思いました。
実は僕もその上司に「肉を食え」と言われたことがありましたが、「食べます」と言ったものの、実際のところは漬物と豆腐をアテに日本酒を飲んでばかりいました。同僚の様に素直に行動に移したりはしていません。(たまに無性に食べたくなって食べることはあります)
同僚はそこから少しは持ち直したものの、だからと言って仕事が順調になって役割を取り戻したわけではなく、今も悩みながら何とか働いている様な状態です。
そして当の上司に「彼は肉食う様にしてるらしいですよ」と伝えたところ「そういう意味じゃねぇんだよな…」と言っており、やっぱりそうだったんだと思ったところです。「肉を食え」と言っておきながら、何てめんどくさいんだろうか。
その上司はバリバリに仕事ができる最も影響力のある存在で、そういう人が言う助言というのは正しいものと思われる傾向があります。メディアでも、成功した人がしている習慣などが紹介されると、それを真似する人たちが多く出てきます。
しかし、それは自分にあった習慣を実践して、たまたまうまくいっているだけで、万人にあわせた習慣というわけではありません。
仕事ができる人や影響力のある人、テレビやYoutubeに出ている成功した起業家が、こぞって肉を食べていたら「やはり肉を食べることで活力が湧き成功に繋がるのかもしれない」と思ってしまう気持ちはわかります。
しかし、実際は全く肉を食べなくとも、凄まじいエネルギーを発揮している人が多くいることも事実です。
陸上100m走の元世界記録保持者でオリンピックでは10個のメダルを獲得したカールルイスはヴィーガン(完全菜食主義者)で知られています。
元ビートルズのポールマッカートニーもヴィーガンで、僕が来日公演の時に見たポールは熱唱を続けながら数時間の演奏をこなし、涼しい表情でステージを去っていきました。当時70歳。
こうして考えるだけで、肉を食べることと活力が湧くことに相関関係があるわけではないことがわかります。
つまり、上司が言いたかったことは「自己管理をしっかりしろ」ということで、その例として「肉を食え」と言っていたのでした。(だったらもっとシンプルに言えばいいのに)
ということで、今日も漬物と豆腐をアテに日本酒を飲むことにします。
