“なんかいいね”の正体。センスと直感の関係
大東早織です。
「なんか、いいね」
デザインの仕事をしていると、よく聞く言葉です。
クライアントやチームメンバーから、ラフを見たときや色の組み合わせを決めるときに。
だけどこの“なんか”って、実はとても奥が深い。
理論では説明できない感覚。でもたしかに、誰かの心に触れている。
今回は、そんな「なんかいいね」の正体について、私なりの視点で考えてみようと思います。
センスって何?直感ってどこから来るの?
私はWebデザインやディレクションの仕事をしながら、花の世界にもいた経験があります。
見た目の印象だけでなく、「空気感」や「余白」や「温度」までを含めて“いいね”と感じる瞬間がある。
センスって、単におしゃれとか美しいというよりも、
「心地よい違和感」や「小さな驚き」を含んでいることが多い気がします。
たとえば服を選ぶとき。
全体がベーシックでも、差し色でちょっと鮮やかな色を入れると、「あ、それいいね」になる。
花束でも、あえてグリーンを効かせたり、つぼみの花を入れて余白を感じさせたり。
直感は、たぶんそういう無数の体験の積み重ねから生まれる。
目にしてきたもの、触れてきたもの、感じた違和感やときめき。
それらが無意識に組み合わさって、ふっと反応する感覚。
“なんかいい”を育ててくれたもの
たとえば、朝の散歩。
私は毎朝、公園を30分ほど歩いているのですが、
ある日、雨上がりに光が差し込む木々の葉を見たとき、ただそれだけで「きれい」と思いました。
でもよく見ると、その“きれい”にはいくつかの理由がある。
水滴が光を反射していること、葉の重なりのバランス、色のグラデーション。
そして自分の心がちょっと疲れていたからこそ、その美しさが響いたのかもしれません。
センスって、「気づける感度」なのかもしれないなと思います。
日常の中にある“いいね”に、ちゃんと目を向けられるかどうか。
自分の感覚を信じて、でも言葉にしていく
仕事では、自分の感覚だけで突っ走るわけにはいきません。
相手がいて、チームがいて、伝える必要がある。
だから私は、“なんかいい”をなるべく言葉にする努力をしています。
「この色を選んだのは、全体が重たくならないように抜け感を出したかったからです」
「ここに余白を取ったのは、この要素を目立たせるようにしたかったからです」
センスは主観だけれど、それを相手に“伝わる形”に変換していくこと。
その往復の中で、直感はより磨かれていく気がしています。
曖昧だからこそ、大事にしたいもの
「なんかいいね」って、すごく曖昧。
だけど、だからこそ可能性がある言葉だと思います。
理屈だけでは生まれない、ちょっとした“ズレ”や“感覚の遊び”。
それを感じとる力が、私の仕事の中でとても大切なものになっています。
これからも、言葉にならない「なんかいいね」を拾いながら、
自分の感覚を信じて、でもちゃんと届けられるようにデザインしていきたいと思います。
ではまた。
