新しい私に出会わせてくれた3冊。
オンラインサロン「京都暮らしの編集室」の「noteチャレンジ」に参加しています。
年間のテーマは
『2026年、私の偏愛目録(カタログ)』。
4月のテーマは
【本】私という人間を定義した3冊。今の自分の価値観の土台になっている本。2026年のはじまりに、自分の現在地を確認する。
テーマに沿って記事を書くのは初めての経験。
新しい私に出会わせてくれた3冊の本について、ドキドキしながら書いてみた。
「文章を書いて、生きていきたい」 江角悠子 著
江角悠子さん(以下、えずさん)のZINE(個人で作る小冊子)に出会ったのは約3年前。
えずさん主催の「京都ライター塾」で学び始めるタイミングだった。
好きなことを本格的に学べるのがうれしくて、当時9ヶ月の息子の育児をしながら書くことに夢中になった。
ZINEを読んで感銘を受け、えずさんに感想を送りたい!と思い立ったけれど、「ちゃんと書かなきゃ」と身構えて書いては消して、を繰り返していた。
ZINEを読み返し、どんな文章でも「今の自分の感じたままをお伝えしたい」と思い直した。
友達からもらったおいしい紅茶を淹れて、お気に入りのペンでメモを取って。
ZINEに書いてあったようにご機嫌な自分でパソコンに向かうと、するすると伝えたい言葉が出てきた。
「書く」というのは「点」ではなく、日常から続く「線」。
「文章を書いて生きる」ことを体感して、うまく書こうとするんじゃなくて、「書きたい」気持ちを大切に書いていこうと気持ちを新たにした。
ページを開くと初心を思い出す、ライターとしてのバイブル。
「ママはキミと一緒にオトナになる」 佐藤友美 著
しっかりと自分の意見をもった息子さんを尊重して、一緒に考えながら日常を楽しんでいる佐藤友美さん。
「子どもたちと一緒に、オトナになる」。
そんな子育てをしたいと、子育てのバイブルになってくれた一冊。
後書きで『「わざわざ書くほどでもないこと」をたくさん書いたような気がする』と書かれていたけれど、そういう日常こそが、後で振り返ると宝物になるんだろうなぁと思った。
旅行に行ったり、誕生日のお祝いをしたり。
そんな特別なことはもちろん思い出になるけれども、子どもたちが大きくなってからもずっと心に残っているのは、きっとささやかな日常だと思う。
トマトのヘタを「トマトの帽子」と言う3歳の息子や、咳をする私に「大丈夫?」と赤ちゃんっぽさが残る口調で聞いてくれた1歳の娘。
キミたちの表現力や優しさに触れて、ママも一緒にオトナになっているよ。
あっという間に大きくなる子どもたちからたくさんのことを学んで、親として成長していきたい。
「キッチン」 吉本ばなな 著
さみしい、悲しい、切ない。
言葉にならない声を吉本ばななさんに繊細に言語化してもらって、一見ネガティブに思われるこんな感情にどっぷり浸かった。
暗い影を落とさず、「あぁ、私そう感じているんだなぁ」とまるっと受け入れる感じで。
感じきったあとには、鮮やかで瑞々しい世界が広がる感覚があった。
「キッチン」では、身近な人の「死」が書かれている。
看護師として働いていたころ、たくさんの人の最期に関わらせていただいた。
「死」を前にして、患者さんはこれまでの人生の振り返りや残される家族への想いを聞かせてくださった。
看護師を辞めてから、「死」と向き合うことから遠ざかっていたのだけれど。
「キッチン」を読んで、「死」があるから「生」が輝くのだと感じた。
誰にでも、死は訪れる。
終わりがあるからこそ、それまでの一瞬一瞬が尊いものになる。
目の前に鮮やかな情景が広がるように自分の話をしてくださる、患者さんの真っ直ぐな瞳を思い出しながら、「今を精一杯生きよう」と静かに決めた。
人生の方向性を示してくれるバイブル。
