メンバーシップ第8話 私はなぜ経験を残したくなったのか 定年が近づいて見えた「引き継ぎの限界」
はじめに
前回の記事では、
製品や技術に関する問い合わせ対応が多かった私が、
Perplexityという検索AIと出会い、
社内外の関係者に
「まずは自分で調べてみよう。出所を確認すれば信頼性は上がる」
と呼びかけ続けた話を書きました。
その時の詳しい話は、こちらの記事で書いています。
すると、
それまで何かあるとすぐ人に聞いていた人たちが、
自らAIで調べ始めるようになりました。
そして、
単に答えを探すだけでなく、
自分なりの仮説まで立ててから相談に来るようになったのです。
「こんなことまでAIで分かりました」
そんな声を聞く機会も増えました。
私自身も、
毎日大量に来る問い合わせ対応から少しずつ解放され、
本来やるべき提案や改善に時間を使えるようになりました。
Perplexityは、
私の営業人生を大きく変えてくれた存在でした。
しかし、
AIを使うようになってから、
私は別の課題に気づき始めます。
それは、
「私が辞めたらどうなるのだろう」
ということでした。
定年まで残りわずか。
引き継ぎ資料を作る日々が始まろうとしていました。
でも私は、
ある違和感を抱えていました。
今日は、
私が「経験をAIに残したい」と思うようになった理由について書いてみようと思います。
第1章|資料は残る。でも考え方は残らない
引き継ぎが始まると、
まず求められるのは資料です。
顧客や社内関係者のリスト。
ユーザーや案件の一覧。
作業マニュアル。
過去の提案書。
年間の活動計画。
確かにそれらは必要です。
しかし、
作れば作るほど、
私は不安になりました。
本当に残したいのは、
これだっただろうか。
営業の仕事は、
資料を読むだけでできるほど単純ではありません。
どの資料を見るのか。
何を確認するのか。
どんな順番で考えるのか。
どこに課題が潜んでいるのか。
そこに価値があります。
個別の資料は残ります。
しかし、
それらを有機的につなぎ、
一つの提案や戦略に組み立てる考え方は残りません。
資料だけを渡された人は、
過去の情報を探して答えることはできます。
でも、
なぜそう判断したのか。
次に何を見るべきなのか。
どこに本当の課題があるのか。
そこまでは分かりません。
すると、
営業は単なる作業になってしまいます。
42年間かけて築いてきた営業の再現性が失われてしまう。
私はそのことに気づき始めていました。
資料は残る。
でも考え方は残らない。
その壁を感じ始めていたのです。
実はこの頃から私は、
「なぜ引き継ぎはうまくいかないのか」
を考え始めていました。
その時の問題意識は、以前こちらの記事にも書いています。
しかし、
私が本当に残したかったのは、
引き継ぎ資料ではありませんでした。
42年間の営業人生で身についた
「考え方」そのものだったのです。
なぜそう思ったのか。
そして、なぜ私はNotebookLMにたどり着いたのか。
続きはメンバーシップでお読みいただけます。
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