貝にならなくて済む言葉を教えてくれるエッセイ
真面目な記事だと思った。
私はどちらかと言えば加害者側になりがちで、めちゃくちゃ口が悪い。いや、そこまで悪くはないかもしれない。マツコデラックスと泉ピン子と、黒柳徹子を足して4で割ったぐらいのもんで、せいぜい若槻千夏か大久保佳代子ぐらいだと思う。割と、常識的な口の悪さだと信じている。
とはいえ、実際は息を吐くようにひどいことを言うらしく(無自覚って怖い)、辻斬りレオンと言われた事もある。態度がデカそうなところや、全身真っ黒な服装でかかとをカツーンカツーン(KAT−TUNファンだから、足音までカツーンと鳴るのだ)と鳴らして歩いているので、態度も相待って、あまり人が寄り付かない。令和に向かないタイプの人間である。
この記事を読んだら、私でもきっと令和を生き抜けるに違いないと思いながら、記事を開いた。
開いたのは野やぎさんの「生きてるだけで加害を生き抜く。【令和言語化サバイバルガイド】」である。
私は野やぎさんの絶妙な比喩や、抜群のセンスとテンポの良さで繰り広げられる言葉が好きなのだけど、今回も案の定めっちゃすっきゃねん(得てして関西弁使いたがりがち)とニヤニヤしながら読み進めた。
そして、序盤で吹いた。
なんやねん!真面目な記事じゃないやろ!これ!と。面白すぎる。何が面白かったって、ここで言うとその驚きが薄れてしまうのでいえない。ヒントは、「大きくなったね」に二文字足すだけで、「時を止めよう」と紫色のスーツをビシッと決めて指差したくなるワードなんだけど、ぜひ、予想してみてほしい。絶対に当たらないから。
だから、なぜそれが出てきた!ウケる!とならざるを得ない。
そんな感じで、いちいち面白くなるワードが溢れていて、最後まで楽しい。
そして、ただ楽しいだけでないのがすごいのだけど、めっちゃわかりみがアリアナ海溝(これだとマリアナ・グランデになる)並に深い。なんて言っていいかわかんないシチュエーションがピシャリ私にハマった。
いつだっただろうか。私は、御局様のおばちゃん(めちゃくちゃいい人なんだけど、相当厳しい人)に、何を思ったのか酔っ払って「湯婆婆そっくりですよね」と言ってしまった。心の声漏れすぎ案件である。そんな感じで、言わなくていいことしか言わない人間なので、令和を生き抜くためにどういう言葉を言えばいいのかと、楽しみながら真剣に読んでしまった。
そして最後に、なるほどねという言葉が提案されている。私はこれから、ずっとこの言葉を繰り返して生きていこうと思う。万能ではないかもしれないけれど、髪を切った人や久しぶりにあった人、誰だか思い出せない人に対しても使える言葉だと言う気がしたから。
でももしこれが通用しないなら……。
私はもう、貝になるしかない。
