10月23日の夕食
あゝ、これが秋だよ。
と言いたくなるような気候の一日だった。
とても涼しい一日だった。
夜になると、薄着を後悔するほどに。
その日の夕飯は、チキンナゲットと決めていた。なぜなら、冷凍庫に胸肉のミンチがあったからだ。
チキンナゲットにすると決意した私は、胸肉のミンチを昨夜から解凍しておいた。朝のうちに、卵と小麦粉、とりあえずなんかいい感じになりそうな調味料を混ぜておく。
朝に夕食の準備をするのは、理由がある。
帰宅後、食事の支度を一からするのは面倒くさいからだ。本当に面倒くさい。
もし、一から食事の用意をしなさいと神様から命じられたとしても、私は断固として断るだろう。
ごめん、神様。
仕事終わって、また仕事とかありえんし、と。
その日のチキンナゲットは、非常に美味しかった。
小麦粉とガーリックパウダーとマヨネーズの配合が絶妙だったと思う。多分、二度と作れない。それが、目分量の素晴らしいところであり、残念なところでもある。そういえばチキンナゲットを食卓に出すと、長男が毎度、「このチキンナゲットには豆腐が入っているのか?」と聞いてくる。一度だけ夕飯に出した、豆腐入りチキンナゲットが美味しくなかったからだろう。悪い印象とは、ずっと脳裏にこびりついているものなのだな、と改めて思う。

チキンナゲットの相棒は、クラシックラガー。
愚直なビールの苦味と、軽快なチキンナゲット。
まるで往年の刑事ドラマのコンビのように、クセになる美味しさだった。差し込まれるハニーマスタードの誘惑。口元についた黄土色の声援をペロリと舐めながら、私の夕食は終演。
だれか、アンコールをお願い。
まだ、アルコールが足りないみたい。
