つい最近までオンデマンドで『毛利元就』を夕食時に視ていたので、それが終了してオンタイムの『べらぼう』を視始めた。
週一視るのは面倒なのでオンデマンドでまとめて視るスタイルだったのですが、最近土地柄源内先生の人気で話題になる事が増えたのでひとつ視てやるかとなったのです。
吉原花魁がいたしている描写があったり、場所柄卑猥な言動も飛び出し昔のNHKでは考えられない部分に踏み込んでいるようです。まあ、ネットを開けば見たくもないパコパコが勝手に目に飛び込んでくる時代ですから何を言っても無駄とは思います。
僕は中学生から約四十年ほど東京で暮らしていましたから、江戸弁が心地よく感じられたのが新鮮な驚きでした。
当初は西の田舎者でしたから、東京弁をなにかと批判的に感じていたのが正直なところです。まあそれはどちらからも感じる事で生理的にそうなのだから仕方ありません。理性でそれを抑えているだけで誰もが感じているのではないでしょうか。
だから僕は国籍の違いや出身地域の違いで違和感を持つのは万国共通だと言う事が嫌と言うほど分かります。簡単な事ではありません。生理的に嫌なのですから。しかしそれは長い年月で解決する事も信じています。信じていると言うより事実です。時間がかかるのです。
実際に当初不快に感じていた江戸弁を今は懐かしく思うのです。「こちとら江戸っ子でぇ!」なんて飲み屋で言われた日にゃぁ、「それがどうした、江戸っ子がなんぼのもんじゃい」と本気で返していましたから。
地元の焼き鳥屋には若い頃から永く通っていました。正確にはやきとんですが、僕の中ではシロが旨い正当な焼き鳥屋でした。タレもシオも美味かったよ。
そこの大将と言うか兄貴と言ったほうが似合う粋な人で落語好きの江戸っ子好きでした。実際には源内先生も讃岐人だったように、大将も江戸っ子では無かったのかもしれませんが色白で役者にしても十分通用するような二枚目の大将でした。
家が近かったのでしょっちゅう深酒をしていたのですが、悪い事にこの大将も商売そっちのけの酒好きで仕事中勧められるままに呑みながら仕事している人でした。帰る時のお勘定が「おいおい、こんなに高いわけねえだろ!」と言う時と「夕方から夜中まで呑んで食って1350円のわけねえだろ!」ってな具合でした。
自転車で来て垣根に突っ込んだなんて客がいると思えば、デベロッパーや銀座の有名店の女部長が常連だったり、客層はバラエティに富んでいてそれが地元のお店の良いところでした。
人気の一つは蔦重のような江戸弁の切符の良さを感じる喋り方にあったとも思います。落語好きですからそこから学んだと思われます。
僕はどの地方に行っても子どもの頃には方言をマスターしましたが、というより自然にそうなっていましたが、二十歳を超えるとそうは行きません。永く居た東京の標準語が自分の言葉になってしまいました。
江戸弁ではない標準語と言うのは地方出身者、特に北関東以北の影響を大きく受けています。東北イントネーションや方言が意外に多いのです。東京の隣の埼玉でも既に方言まみれです。神奈川の人からはあまりそうした事を感じませんでしたがそれ以外の東京周辺はもうどっぷり田舎言葉です。
そういう僕自身も西のイントネーションが混ざった標準語だったでしょうし、今も微妙に残っていると思います。
そんな人生の中で江戸弁っていいなと蔦重に今思わせられています。明るく軽快で景気の良い話し方が心地いい。
蔦重だけでなく源内先生の江戸弁も大したものだ。20代半ばからの江戸暮らしと言う事で史実かどうかは不明ですが、あの才能と風貌には江戸弁がぴったりでした。ファンも多かったのではないでしょうか。
僕もこれから江戸弁を勉強しようかな。
心の師は南方先生ですが。
