Rockstarの従業員が労働組合の正式承認を申請:実現すればイギリスのゲームスタジオで2例目に#43
■3行サマリー
イギリスの独立系労働者組合IWGBは、Rockstar Gamesの従業員が同組合への正式な承認申請を行ったと発表しました。
実現すれば、2025年10月に承認されたZA/UMに続き、イギリスのゲームスタジオとして2例目のケースとなります。
今回の申請は、同社が2025年に行った大量解雇をめぐる"組合つぶし"疑惑の訴訟が続くさなかに行われたものです。

■記事の要点
Rockstar Gamesは2025年10月、30人を超える従業員を解雇しました。IWGBは「解雇された人たちが全員、自分たちの組合に入っていた」と指摘し、組合を狙い撃ちにした解雇ではないかと訴えています。
会社側は「情報を不正に外部へ漏らそうとしたため」と説明していますが、IWGBはこれを不当な解雇だとして提訴しました。最終的な審理は2026年9月に行われる予定です。
このような対立が続くなかで、2026年5月末、従業員たちは新しい労働組合「Rockstar IWGB Game Workers Union」を作ったことを発表しました。今回はその組合が、会社に「正式な話し合いの相手として認めてほしい」と申請した、というのが今回のニュースです。
組合が求めているのは、大きく3つです。
給与の決め方をもっとわかりやすくすること(賃金の透明性)
働く時間や場所をもっと柔軟に選べるようにすること
発売直前などに残業が集中する"クランチ"と呼ばれる働き方への対応
IWGBによれば、組合は2019年から少しずつ活動を広げてきており、今ではイギリス国内の各拠点で、かなりの数の従業員が組合に参加しているといいます。会社側もこれまでに、賃上げや残業時の手当の新設など、一定の改善を行ってきたとのことです。
一方でRockstar側も、海外メディアに向けて「働きやすい環境づくりに力を入れており、社員の定着率も高い」とコメント。今回の申請についても、話し合いの場を設ける方向で調整を進めていると説明しています。
なお、Rockstarの新作『グランド・セフト・オートVI』は、発売直後の予約だけで30億ドルを超える売り上げを記録したとされています。IWGBの代表は「これだけの利益を生み出した従業員の声に、会社が耳を傾けない理由はないはずだ」とコメントしています。
■佐々木の所感/解説
今回のケースが興味深いのは、労使が全面対立の構図で終わっていない点です。訴訟という緊張関係を抱えながらも、会社側は"対話の場を設ける"という選択をしています。
承認申請と訴訟は法的には別ですが、実務上は密接に絡み合う場面も多く、組合側にとっても会社側にとっても、対応の一貫性や説明責任がこれまで以上に問われる局面だと感じます。
日本の労使関係においても、会社側が組合対応を渋る場面と、むしろ組合の存在を職場改善のパートナーとして受け止める場面とでは、その後の組織に与える影響も変わってきます。業務生産性や従業員定着率にまで影響する内容かと思います。
今回のRockstarの事例は、"対立か協調か"という二択ではなく、対立を抱えたままでも協調のテーブルにつくという、第三の道の可能性を示しているようにも思います。今後の動きと、9月に予定される審理の結果、両方に注目したいところです。
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