【発達障害と適職】GATBで見えた「仕事が続かない本当の理由」
「仕事のミスで『自分はダメだ』と落ち込んだ回数を覚えていますか?」私は多すぎてもはや数えられません。
「転職を繰り返すのは努力不足ではありません。能力のミスマッチだった。」でも能力を測るためにはどうしたら良いのか? もちろん実務でも能力は分かりますが、職場環境や周囲の評価により「能力」は過大評価されたり低く見積もられたりします。
そこで今回は能力の面から職業適正を測る検査を紹介します。
それこそが、GATBという職業能力を測る職業適性検査です。 厚生労働省が提供するこのテストは、13歳から45歳未満を対象に、言語能力や空間判断力など9つの能力を測ります。この記事を読むことで、あなたが私のように新卒から4社連続で3カ月しか続かないという失敗を防ぎ、あなたに合った仕事を見つける最初の客観的な手がかりが得られます。
2017年初頭に、就職活動の一環としてハローワークでGATBを受けました。約10人の集団受験で、心理テストのようなものかと思ったら、予想以上に本格的な職業能力の測定でした。発達障害の特性(例: 手先の不器用さや空間認識の苦手さ)が仕事にどう影響するか、GATBで分かった私の体験を共有します。この記事を読めば、GATBの概要、試験内容、結果の見方、そして適職探しや自己理解にどう活かせるかが分かります!
1.そもそも、GATBとは何か?
GATBとは厚生労働省主催で行っている職業適性検査の一種で、問題作成などを引き受けている一般社団法人 雇用問題研究会によりますと、
厚生労働省編一般職業適性検査[進路指導・職業指導用](GATB)は、多様な職業分野で必要とされる9種の能力(適性能)を、15種類の下位検査(うち11種類が紙筆検査=筆記検査、4種類が器具検査)から測定します。対象年齢も幅広く、13歳以上45歳未満の方に使用することができます。進路指導、職業指導にご活用いただけます。
とのこと。試験は紙筆検査と器具検査に分かれますが、今回はF(指先の器用さ)とM(手腕の器用さ)は測定しませんでした。これらの検査は別の機会に行ったので、後で紹介します。
テストで測定される9つの能力は、次の通りです。
G-知的能力[General Intelligence]説明・教示や諸原理・諸概念を理解したり、推理し、判断したりする能力。一般的な学習力。
V-言語能力[Verbal Aptitude]言語相互の関係および文章や句の意味を理解し、それを有効に使いこなす能力。
N-数理能力[Numerical Aptitude]計算を正確に速く行うとともに、応用問題を解き、推論する能力。Q-書記的知覚[Clerical Perception](Color(色)の「C」と混同しないよう、読み「クラリカル」にあてて「Q(ク)」を使用した。)文字や数字を直感的に見分け、違いを見つけ、校正する能力。文字や数字に限らず、対象をすばやく知覚する能力。
S-空間判断力[Spatial Aptitude]立体形を理解したり、平面図から立体を想像したり、考えたりする能力。物体間の位置関係とその変化を正しく理解する能力。
P-形態知覚[Form Perception](F-指先の器用さの「F」と区別するため「Perception」の「P」をあてた。)物体あるいは図形を見比べて、その形や陰影、線の太さや長さなど細かい差異を正確に見分ける能力。
K-運動共応[Motor Coordination](M-手腕の器用さの「M」と区別するため「Kinetic(動的な)」の「K」をあてた。)データ入力等、眼で見ながら、手で迅速な運動を正しくコントロールする能力。F-指先の器用さ[Finger Dexterity]組立作業などに必要な指先の器用さ。小さいものを巧みに取り扱う能力。
M-手腕の器用さ[Manual Dexterity]ハンドルやレバーを巧みに操作するなど、物を取り上げたり、定められた位置関係で正確にすばやく持ち替えたりするなどの、手腕や手首を巧みに動かす能力。
試験は約1時間で、自己採点を含めて2~2.5時間ほどかかります。自己採点で簡易な結果が分かりますが、詳しい分析結果は後日受け取ります。この結果から、どの能力が自分の強みで、どの仕事に向いているかが分かります。例えば、計算が得意なら事務職、空間認識が苦手なら設計職は避ける、といった判断が可能です。特に発達障害の特性、例えば手先の不器用さや集中力の偏りが、仕事の適性にどう影響するかを知るきっかけになりました。
点数が高いほど多くの職業に適していると判定されるので、集中しつつリラックスして臨むのが大切です。結果を受け取るため、隣町まで電車で30分かけてフィードバックをもらいに行きました。
私自身、仕事でミスが多く「何か向いてない」と感じていたので、この検査で自分の限界と強みが見えたのは大きかったです。問題は簡単ですが、約1時間で11の検査を行うため、考える時間はほとんどありません。検査は計算や図形の比較など多岐にわたり、スピードが求められるので、焦らず正確に進めるのがコツです。素早く回答する必要があります。
2.GATB受験体験&結果について
仕事で「自分には合わない」と感じていた私にとって、GATBは能力の強みと弱みをはっきり見せてくれました。2017年に、駅前のビルでGATBを受験しました。席は決まっており、約10人で集団受験でした。
受験の準備後、テープレコーダーの指示に従います。検査前には必ず練習問題があるので、やり方に迷う心配はありません。ただし、戸惑っていると「やめ 鉛筆を置いてください」と次に進みます。すべて解答するのは時間的に厳しく、私の場合は11個中1つしか完答できませんでした。理解度よりも、どれだけ早く回答できるかを重視する試験なので、すべて解答できないのは前提と考えてよいでしょう。
試験内容は以下の11種類で、円に点を打つ、計算する、数字や文字の間違いを見つけるなどです。新卒の就職試験で使われるSPIなどの試験と似た部分もありました。
紙筆検査
検査1 円打点検査:円の中に点を打つ
検査2 記号記入検査:記号を記入する
検査3 形態照合検査:形と大きさの同じ図形を探す検査4 名詞比較検査:文字・数字の違いを見つける検査5 図柄照合検査:同じ図柄を見つける
検査6 平面図判断検査:置き方を変えた図形を見つける
検査7 計算検査:加減乗除の計算
検査8 語意検査:同意語または反意語を見つける
検査9 立体図判断検査:展開図から立体形を推測
検査10 文章完成検査:文章を完成させる
検査11 算数応用検査:応用問題を解く
選考に関係ないので、特に対策の必要はありません。というより、対策しても意味はないでしょう。事前準備は不要ですが、集中力とスピードが鍵。落ち着いて取り組めば、自分の能力が明確になります。集団受験なので、試験官から「騒がないように」と強調されました。それでも試験前に騒いでいた人もいました。
約1時間集中して問題を解き、試験終了後、自己採点と点数換算をしました。職業ごとの基準点が書かれた紙を渡され、その日は終了しました。この結果から、例えば言語能力が高いなら事務やライター、空間認識が苦手なら設計職は避ける、といった適職のヒントが得られました。私の場合、発達障害の特性(例えば集中力や空間認識の偏り)が結果に表れ、仕事選びの参考になりました。
検査結果を表にまとめると以下の通りです。

評価段階は、A,B,©,C,D,Eの6段階で、当然ながらAに近い方がその能力が高いということを示しています。大体、© とC辺りが平均的な評価となりますね。
過去の仕事で「何か違う」と感じながら失敗を繰り返した私にとって、GATBは自分の特性と向き合う第一歩でした。私の結果、勉強の分野は得意だが、形の認識や手を動かす分野は苦手だと分かりました。つまり、言語性IQが高く、動作性IQが低く、翌年の発達障害診断で分かった典型的な特徴が現れていました。
例えば、空間判断力は苦手でしたが、以前の機械設計(CAD)の職場で、2次元の図面から部品の形態をイメージできずに怒られた経験があり、適性がなかったと実感しました。この点は、結果を教えてくれたスタッフも指摘してくれました。発達障害の特性が数値で見えたことで、「なぜあの仕事が合わなかったのか」が腑に落ち、適職探しや自己理解がぐっと進みました。

折れ線グラフで見ると、能力の偏りが一目で分かります。苦手な空間判断力、形態知覚、運動協応はいずれも、これまで経験した食品製造職やCADオペレーターで求められる能力でした。向いていなくて数ヶ月で辞めた理由が分かりました。

得点から、どの職業が適しているかを評価してくれます。例えば、言語能力が高いならライティングや教育職が向いている一方、空間認識が苦手なら製造や設計は避けた方がいいと分かり、仕事選びの指針になりました。適性のない職種が多いと分かりました。照合結果では、Hが適性あり、mが適性あり(普通)、Lが適性なしという評価でした。新卒で就いた漬物の製造は身体作業でL(適性なし)、次に就いた機械設計は製図関連でこれもL(適性なし)でした。
なるほど、「適性がない」から仕事がうまくこなせずクビになったのだと納得しました。この体験では、発達障害の影響以外にも、能力的な適性の低さもあると分かりました。この結果を基に、向いている仕事と避けるべき仕事を整理できたので、転職や就活の方向性が明確になりました。新卒の就活前にこの試験を受けていれば、3ヶ月でクビにならなかったかもしれないと後悔しています。
3.器具検査受験記~体験記&受験結果~
何度も仕事でつまずき、発達障害かもしれないと悩んだ私にとって、GATBは自分の限界と可能性を見直すきっかけでした。GATBの結果を受け取った後、その後どうしたかというと、ふつうに就活を行い、携帯販売店に内定を得て、販売職の見習いとして働きました。しかし、そこでもうまくいかず、改めて就活のため県の「就活支援企画」(給付金付き)に申し込みました。そこから農業関連企業に内定を得て、製造職に就き、途中から農作業も担当しました。
しかし、ここもうまくいかず、そこで発達障害を疑い、障害者雇用を考えて障害の診断のため、障害者支援機関や心療内科に定期的に通院していました。その一環として、県の支援センターで検査を受けることになりました。その中で、GATBの器具検査を受けることになり(紙筆検査はすでに受けていたと伝えました)、他にも蛇口を組み立てる作業やPC入力のテストを受けました。
2018年5月頃、以下のような検査を受けました。
検査内容は以下の通りです。
器具検査
検査1 さし込み検査 棒(ペグ)をさし込む検査
検査2 さし替え検査 棒(ペグ)を上下逆にさし替える検査
検査3 組み合わせ検査 丸びょうと座金を組み合わせる検査
検査4 分解検査 丸びょうと座金を分解する検査
なお、器具検査1,2は手腕作業検査盤(ペグボード)を、器具検査3,4は指先器用検査盤(エフ・ディー・ボード)
結果は以下に示します。

器具検査では、実際に手を動かして作業するので、自分の実務能力がリアルに分かります。検査1・2(手腕の器用さ)はまずまずでしたが、検査3・4(指先の器用さ)は良くなかったです。この結果から、例えば手先を使う細かい作業は避け、PC入力のような単純作業なら対応できると分かり、仕事選びの指針になりました。
手腕の器用さが低いのは、発達障害より、併発しやすい発達性協調運動障害(DCD、ただし未診断)の影響と考えられます。実際に手先が不器用で困ったことは幼少期から何度もあったので、驚きませんでした。発達障害による不器用さが数値で明確になり、仕事での失敗の理由が腑に落ち、自信を持って適職を選べるようになりました。
もしあなたが手先の不器用さに悩んでいるなら、GATBはそれを『言い訳』ではなく『対策すべき事実に変えてくれる根拠になります。実際、障害者手帳を取得後の障害者雇用の就活では、この検査の結果をもとに手先の器用さを求められる仕事は避けました。
4. GATBの結果を活かして、仕事の失敗を「特性」に変えよう
GATBは、仕事で「合わない」と感じる人や自分の強みを知りたい新卒に、能力の得意・不得意をはっきり示してくれる検査です。私の場合、発達障害の特性(例えば手先の不器用さ)が数値で分かり、失敗の理由が腑に落ちました。この結果を活かせば、適職探しがぐっと楽に。気軽に受けられるので、仕事や就活で悩むあなたも、GATBで自分の可能性を見つけてみませんか?
最後に、あなたへのお願いです。もし、この私の失敗と教訓が、あなたやあなたの周りの人の「仕事の能力への悩み」に少しでも光を当てられたなら、
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