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手書きで作ったキーボード|貧乏だったけど、スキルアップは自分次第

高校時代、私はずっと情報が遮断された環境で育っていました。
でも、商業高校に進学したことで「パソコンを覚えよう」と決めました。
最初の目標はタッチタイピング。
実はそのきっかけになったのは、情報が遮断される前に観たドラマ『派遣の品格』でした。

主人公の女性が、何でもできて憧れました。

「私もあんな風にスーツの似合う人になりたいな」って、ぼんやりと思ったのを覚えています。

どうすればできるようになるか、自分なりに考えました。

授業の最初10分間は、タイピングの練習時間。
私は“スピードよりも正確さ”を意識して、キーボードを見ない練習を重ねました。

そしてある日、パソコンがないなら自分で作ればいいんだ!と、「手書きのキーボード」を作って練習することに。
……でも、やってみて気づいたんです。

「あ、押しても画面に何も表示されない」

当たり前のことなのに、私はそれに本気で取り組んで、ようやく気づいたんです。
一生懸命準備したのに、できないと分かった瞬間、ズーンと沈みました。

そんなとき、祖母が昔使っていた年季の入ったワープロを譲ってくれました。
「やった!」と思って使ってみると——今度はローマ字入力ではなかった。
しかもキーボードの配置が微妙に違う。当時のパソコンとしてはちょっと違う。

そこで、経営者だった叔父に「もし不要なパソコンがあったら譲ってほしい」と相談。
届いたのは、Macのパソコンでした。
叔父がデザイン関係の仕事だったため、Windowsではなかったんです。

結局、学校の授業だけでパソコンを学ぶしかありませんでした。
でも、そこで私はがむしゃらに頑張りました。

高校3年生のときには、「パソコンスピード検定1級」に合格。10分間に1,000文字以上を打てるようになっていました。情報処理の基礎知識も、なんとか身につけることができました。


家にパソコンがある子たちは、1年生のころから入力が早くて有利に見えました。でも、独学で覚えた“自己流”の打ち方だったこともあって、最終的には私のほうがスピードも正確さも上回るようになっていました。


「あること」に甘えるより、「ないこと」から想像して工夫する力のほうが、時に強くなる——そんな出来事だった気がします。


スキルを磨こうと頑張る姿の裏には、実は“見えない貧困”があったこと。誰にも気づかれなかったし、私自身も、それを見せたくなかったのかもしれません。


でも、工夫すれば、図書館もあるし、時間もある。貧乏でも、スキルアップは“自分次第”。あの頃の私は、それを信じていました。


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