見出し画像

#20 「ビジネスライクに」仕事は感情ではなく、信頼で築く

「ビジネスライクに」

それが、私の上司の言葉だった。多くを語る人ではなかった。一言だけ伝えて、あとは目で語るような人だった。
このスタイルは、私にとってはどこか慣れた感覚だった。

以来、「ビジネスライクに」という言葉を、私は今でも仕事の軸として大切にしている。仕事とは“会社との付き合い方”だと、私は思っている。

この言葉を最初に聞いたとき、私はこう受け取った。
「仕事に感情を持ち込むな。ここは友だち付き合いの場ではない。家庭の事情を職場に引きずるな。」
そういう意味だと。

結婚して「帰る家」ができてから、私は安心して仕事に打ち込めた。
「帰る家」がなかった頃は、感情のコントロールが難しかった。

けれど私はこの言葉を真摯に受け止め、感情を押し殺し、昭和文化が根強く残る職場で、少しずつ業務改善を進めてきた。多岐にわたる業務に関わり、それぞれで成果を出してきたことが評価された。

24歳で主任、26歳で課長補佐、28歳で課長(等級は部長クラス)。
新卒から、順調にキャリアを重ねてきた。
かつては苦しかった奨学金の返済も、今では気にならない。心にも、少しずつ余裕が生まれてきた。

これまで関わってきた業務を、簡単に紹介する。
人事・労務、勤怠管理、給与計算、会計システムのクラウド化、試算表作成、本支店経理、支店指導、財務分析、経費精算システムの導入、社内教育、マニュアル整備、安全衛生委員会、衛生管理者、グループ会社の経理——。
社員旅行、制服発注などの総務業務、ホームページ制作、CMなどの広報業務、ガス会社としての窓口対応、保安業務も含まれる。

それらを通して、自分が大切だと感じたことを記しておきたい。
具体的な業務エピソードは、また別の記事で紹介する予定。
ここでは「仕事への姿勢」について、書いていく。


新入社員の時期は、資格取得が最も重要だと私は思う。
即戦力になれなくてもいい。
その代わり、専門性の高い業界であれば、求められる資格は必ず取得すること。そして、雑用であっても任されたことは丁寧にこなすこと。
この2点が、会社にとっての“信用”になる。

新入社員が先輩に質問することに、恥はない。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」。
むしろ、できるだけ失敗を経験した方がいいと思っている。
怒られたことも、自分の糧にできれば、何かしらで活きてくる。

仕事を任されるようになったら、自分の業務改善を意識し始める。
社会情勢や会社の動向にもアンテナを張ること。主任になれば、なおさらだ。

定型業務が安定してきたら、そこで初めて業務改善に着手する。
整っていないうちに手を加えると、どこで変化が起きたのか分からなくなるからだ。

引き継いだ業務は、まず教わった手順に沿ってやってみる。
そのうえで「こうしたら良くなるのに」と思うことが出てきたら、それを文章にしてまとめる。
提案書として提出する。それを上司が納得するまで繰り返す。

提案が通るかどうかは、タイミング次第。
前回は通らなくても、今回は通るということもある。
それは、社会情勢や業界・会社の動向によって変わる。
だからこそ、情報収集とタイミングの見極めが重要になる。

業務改善が進めば、それは自然と評価につながる。
そうして、少しずつ責任ある業務を任されるようになっていく。


課長補佐は「課長の下積み期間」だと私は思う。
この時期には、部下の指導方法や“人の動かし方”を意識することが大切になる。

課長になったら、それまで積み上げてきたものを形にする段階。
経営者(=部長)が描いている“理想のかたち”を、実務でどう形にしていくか。
それが、課長の役割だと私は考えている。

もちろん、これは私の考え方にすぎない。
人の数だけ、仕事観もある。正解は一つではない。

でも、私はこの姿勢で、評価を下げられたことは一度もない。
それは、学生時代のアルバイトや部活動でも、転職した現在の会社でも同じだった。


いいなと思ったら応援しよう!