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chari_lele
#6 紙1枚で、家族じゃなくなった日
「紙1枚で他人になった」
中学2年生のとき、父が入院していた病院のロビーで、家族会議が開かれた。
そこで、両親の離婚が決まった。父はその場で離婚届にサインした。
病院代、生活費、これからのこと…。
自己破産か、母子家庭として行政に頼るしかなかった。
そのとき、叔父が言った。
「お前たちはもう子どもじゃない。大人だ。離婚の話をするときに泣くな」と。
必死で大人になろうとした中学時代。
――でも、私は子どもだった。
強くなろう、大人になろうと思っていた。
でも、やっぱり泣いてしまった。
「別れていいよ」と自分で言ったのに、
涙は止まらなかった。
必死で上を向いて、こらえた。
親権は私は最初から母。
父方の祖父は「女の子はいらない」と言った。
兄は長男だから欲しがられた。
兄は家庭裁判所で自分の意思を示し、母のもとへ。
私は“いらないから母に引き取られた”――そんなふうに感じてしまった。
離婚の翌日から、父方の祖父の目は別人のようだった。
まるで敵を見るような目。今でも忘れられない。
「養育費を出さないために一筆書け」と押しかけてきた父方の親族。
「俺がお前の父親になる」と厳しくなった母方の祖父。
そして生活は一変した。
学校から帰ればすぐに祖母のデイサービスのお迎え、料理、母のリハビリの付き添い、後片付け。
お風呂の順番は兄が先、私は最後。
まるで戦後の昭和にタイムスリップしたような日々。
大好きだったおじいちゃんは、変わってしまった。
――紙切れ1枚で、家族は他人になれると知った日だった。
