イザナギとイザナミは、プレートの名前だった?──神話とプレートテクトニクスと、日本列島の“ほんとのはじまり”【第11話】
■ 「神様の名前」がプレートに!?
イザナギとイザナミ。
古事記に出てくる、日本列島をつくった“はじめの夫婦神”です。
天の浮橋(あめのうきはし)に立って、矛(ほこ)をぐるぐるかき回して……
しずくが落ちて固まって、「おのころ島」が生まれた──っていう、有名な「国産み神話」。
実はこのふたりの名前、
なんとプレートテクトニクス(地球の地殻を動かす“岩の板”)に使われてるって、ご存じでしたか?
■ イザナギプレートとイザナミプレートって?
プレートって簡単にいうと、
地球の表面をおおってる巨大な岩盤のこと。
それが年に数cmずつ動いて、地震や火山、山脈なんかをつくっています。
で──かつて日本列島の下には、
**「イザナギプレート」と「イザナミプレート」**という名前のプレートが存在していたんです。
イザナギプレートは、太平洋側からユーラシアプレートに沈み込んでいった古いプレート
イザナミプレートは、それに続いて動いていた、もうひとつの大規模プレート
どちらも今はもう、完全に沈み込んで地中に消えてしまったけど、
その痕跡は、地質学の研究でちゃんと追えるんです。
■ プレートが「日本列島」をつくった?
昔、日本列島は大陸と地続きだったと考えられています。
そこにイザナギ・イザナミプレートがどんどん沈み込んでいったことで──
地面が盛り上がり、断層ができて
火山活動が始まり、
やがて大地が「裂けて」島になっていった
つまり、プレートの動きが“日本列島”そのものを形づくったわけです。
神話では「矛をぐるぐる→島ができる」ですが、
科学では「プレートが動く→大地が生まれる」。
なんかちょっと、似てません?
**神話的にも、科学的にも、“日本は動いてできた国”**なんです。
■ フォッサマグナって知ってる?
ちなみに「日本列島の真ん中にある大きな溝」のことを、フォッサマグナって言います。
西の日本と東の日本を分ける境界線
静岡〜新潟あたりを縦に走ってる
明治時代にドイツ人のナウマン博士が発見
このフォッサマグナも、プレートが動いたおかげでできたもの。
つまり、日本列島って「プレートの綱引きの結果」なんですね。
イザナギが引っ張り、イザナミが押して、
そこに現代のプレートたちが引き継いで、
いまの日本が“地球の上に存在してる”。
これ、ちょっと感動しませんか。
■ 神話と地質学、どっちも信じていいの?
神話は、古代の人たちが自然を見て、想像して、生まれた「物語」です。
でもそれって、単なるファンタジーじゃなくて、
自然現象に対する“感性”の記録なんですよね。
地面が揺れる、山が噴く、島ができる──
それを「神様のしわざ」って表現したのが神話。
そして科学が進んだ現代、
その現象を「プレートの動き」として説明できるようになった。
つまり、
神話と科学って、時代を越えて“同じもの”を見つめていたとも言えるんです。
■ おわりに──島国という運命と向き合う
イザナギとイザナミ。
その名前をもつプレートが、
かつて海の底から日本をつくった。
私たちが住んでるこの島は、
ただ“ある”んじゃなくて、“つくられた”ものなんです。
火山も、地震も、断層も、
ぜんぶプレートの動きと関係がある。
そして、そんな自然の動きを、
神話として語り継いできた感性が、今も私たちの文化の中に生きてる。
🔜 次回予告(第12話)
ヤマトって何?──政権?王権?朝廷?それとも“大和”?
「ヤマト政権」って言うけど──
そもそも「ヤマト」って何のこと?
地名としての「大和(やまと)」、古代国家としての「ヤマト」、
そして「政権」「朝廷」「王権」など、いろんな言葉が飛び交います。
次回は、「ヤマト」と「大和」の使い分けをヒントに、
古代日本の“統治のかたち”と、その呼び名の変遷を、ゆる〜くひもといていきます。
