なぜ人間は戦争をするのか?──“争いの起源”をたどる人類史【第15話】
■ 神話の次にある、大きな問い
これまで、日本神話や古代の天皇たちをテーマにしてきたこのシリーズ。
でも今回は、少しテーマを広げて、**「そもそも人間って、なんで争うの?」**という話をしてみようと思います。
• 国家ができる前、人間たちはどう暮らしていたのか?
• 最初の戦争って、いつ、どこで起きた?
• 「戦争」がはじまったのは、人間の本能?それとも後天的な何か?
古代史に興味があると、たびたび気になるのがこの“戦争の起源”。
今回は、そんな素朴な疑問に、ゆる〜く、でもちょっと本気で迫ってみます。
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■ 狩猟採集民には「戦争」がなかった?
人類の長い歴史の中で、私たちが「国家」を持ったのは、ほんのここ数千年のこと。
じゃあそれ以前の人類──たとえば1万年前の狩猟採集民たちは、どうしていたのでしょうか?
実は、初期の人類社会には「戦争の痕跡がない」ことが多いんです。
• 墓からは武器よりも装飾品
• 大量虐殺や囲い込みの証拠が少ない
• 小さな集団で移動生活、土地の奪い合いが起きにくい
もちろん、個人間の争いはあったでしょう。
でも、“集団対集団”という形の戦いは、ほとんど確認されていません。
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■ じゃあ「戦争」っていつ始まったの?
ここがとても面白いところ。
考古学的に最古の「戦争っぽい跡」は、スーダンのナイル渓谷・約1万3000年前の墓地から見つかっています。
そこには、矢じりが刺さったままの人骨が集団で埋葬されており、明らかに“組織的な争い”があったと推測されています。
その後、農耕が始まり、人類は定住生活をするように。
• 土地を耕す → 奪われたくない
• 貯蔵できる → 盗まれる可能性
• 人口が増える → 他の集団と競合する
こうして、「資源」「縄張り」「権力」をめぐる衝突が生まれ、
“戦争という仕組み”が、人間社会にじわじわと入り込んでいったのです。
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■ 「戦争は本能か?」という永遠のテーマ
よくある問いです。
「人間って、結局は争う生き物なの?」
でも、初期人類の暮らしを見ると、本能というより“条件”が整ったときに戦争が起きると考えたほうが自然かもしれません。
• 食べ物が不安定 → 他人の分を奪う必要が出てくる
• 指導者が登場 → 命令による集団行動が可能になる
• 宗教や理念が登場 → 敵と味方の境界が生まれる
つまり、戦争は“人間の性質”というより、人間社会が高度になっていく過程で生まれた副産物のようにも見えます。
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■ 神話の中の「戦争」
興味深いのは、古代神話の中にも“戦争の理由”がたくさん語られていることです。
• 出雲神話の「国譲り」:支配権をめぐる争い
• ギリシャ神話の「トロイア戦争」:名誉・女神・呪い
• 旧約聖書の戦い:神の命令と信仰
神々の世界でも、やっぱり争いは避けられない。
でも、そこにはいつも**「自分たちが正しい」という大義名分**がセットでついてくる。
現代の戦争も、これとそう変わらないのかもしれません。
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■ おわりに
今回のテーマは「神話」でも「日本の王権」でもなかったけれど、
そこにはやっぱり“人間が国家をつくる”という流れと重なる部分があります。
• 国家が生まれた
• 財産が生まれた
• 秩序と争いが生まれた
そして私たちは、いまもその延長線上に生きている。
神話に登場する争いも、現代の戦争も、根っこには同じ「人間の営み」があるんだな、と実感します。
🔜 次回予告(第16話)
「神話から歴史へ──“日本のはじまり”をざっくり総まとめ」
これまでたどってきた、日本の成り立ち。
イザナギ・イザナミの神話から始まり、神武天皇の東征、古墳の謎、
そして継体天皇の登場、仏教伝来まで──。
次回は、これらのストーリーを**時系列でわかりやすくまとめた“総集編”**をお届けします。
「これまで読んでない回も一気に把握したい!」という方にもおすすめ。
日本という国の“はじまりの風景”を、いま一度ふり返ってみましょう。
