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色気のない街は燻んでいく

ステンレスの街

お台場あたりを車で走ってると、
いつの間にこんなに廃れたのかと思いますね。

昔よく都内近郊でロケしてた時は、
ただっぴろくて撮影しやすいところ、
幕張、天王洲、お台場なんてよく行きました。

再開発っていうのか、よくわかりませんが、
「つくられた街」という印象の場所でした。

広い。建物がでかい。
よく言えば近代的。そして血の通っていない街。
今だと豊洲あたりですかね。

確かに風景としては綺麗なんだけど、
なんかつまんないんですよね。建物が。
せっかく広いステージを与えられて、
さあ、思いっきりビルを建ててみよう。
と言われたけど、
想像力が追いつかなかった感じ…。

色と想像力が足りない

どれもこれも、シルバーとコンクリート。
すっごく凝って作りましたって顔してるけど、
やったことは鉄骨の組み合わせ、
そのバリエーション。「色」が使えない。
グリーンは確かにあるんだけどなんかベタ塗り。

「ちょっと色気がないんだよね」
「わかりました。色を足しましょう」

で、使える色は原色。赤だけ。
アクセントはなぜか「観覧車」・・・
まるで巨大な台所のようです。
シンクにプラスチックの赤いマグカップ。

建物自体に生気がある、一個くらい
ガウディみたいな建物があってもいいのに、
その方向に行くとなぜか巨大ゲーセンみたいな
(たてものの壁面にモンスター的な)
そういう方向に行ってしまう…。

建築デザインのことはよくわかりませんが、
日本人はステンレスな建物が好きなんですかね。
決して日本ぽくはない気もしますが…。

逆に海外の写真なんか見ると、
そんな枠にとらわれてない街がいっぱいあって
羨ましい感じがします。

でも海外の人は日本のこんな風景、
整然としていてすごく美しい、って言うらしい。
お互いに無いものねだりか?

日本人は「木造」を捨てたときに
大切なモノをいっしょに捨てちゃったのかも。

そして色のない街は「煤けて」いくんですね。
錆はしないけど燻んでいく感じ。
いい街は古くなると味が出るんだけど
ただなんか濁っていく。

するとまたゼロから作り直さなきゃいけない。
あ、それが狙いなのか。

ステンレスの街は触ると熱いです。
街自体が車のボンネットみたい。

雑多な町には色気がある。

昔「色づく街」っていう歌があって(南沙織)
あれは秋から冬の歌だと思うけど、
いい街って色があるんだよね。
そしていい意味で雑多だったりする。

色って言っても長い銀杏並木が
一斉に黄色くなると言うよりは
あっちこっちにいろんな花や木があって
時間差で色づいていくような。
あまり計画的じゃ無い方がいい。
そういうのって色気がある。

新しい渋谷の街とか、
こうなるともうステンレスでもないね。
新素材って言うか、超合金(←古い)。
いろんな色は確かにあるし、雑多でもある。
ただこれが色気になるかどうかは、
まだわかんない気はします。
今はピカピカだけどね。

次回の言葉は「ツクツクボウシ」です。


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