「人は自分のことは自分が一番わからない」というのは本当か?
どーも、西村です。
今回は、『”人は自分のことは自分が一番わからない”というのは本当か?』というテーマで話を掘り下げていきたいと思います。
「人は、自分のことは自分が一番わからないんだよ」
どこかでそんな言葉を聞いたことがあるかもしれません。
でも、ふと疑問が湧きませんか?
自分の頭の中にある考えも、心の中にある感情も、誰よりも自分が一番近くにいるのに、それが「わからない」なんて、そんなことあるんだろうか、と。
この問いは、実は私たちの“自己理解”において、とても大事な入り口になります。
なぜなら、「自分のことをちゃんとわかっている」という感覚があるかどうかで、自信や選択の質・生き方の方向まで、大きく変わってくるからです。
最初に、私の考えをお伝えします。
それは、
『人は、自分のことを“意識して観察しない限り”、だんだんわからなくなる』
ということです。
つまり、“放っておくと、わからなくなる”という感覚。
これは多くの人にとって、実感としてあるのではないでしょうか。
たとえば、
・何かモヤモヤするけど、理由がわからない
・本当はどうしたいかが自分でもわからない
・言っていることと、やっていることがチグハグになってしまう
・「自分らしくいたい」と思っても、“自分らしさ”が何かわからない
そんなときに、自分とあまり深く向き合わず、その問いや悩みを放置してしまうと、私たちは自分の“本心”を見失っていきます。
私が以前かかわったクライアントの瀬戸さんは、とてもまじめで、人からも頼られる存在でした。
でもある日、こんなふうに言いました。
「自分の強みって、なんだと思いますか?って聞かれると、何も出てこないんです。まわりから見たら“しっかりしてる人”に見えるかもしれないけど、自分の心はずっと空っぽのままのような気がして…」
瀬戸さんは、自分の感情や価値観を後回しにして、「人にどう見られるか」「どう振る舞えば正解か」で動くことが習慣になっていました。
その結果、「自分が何を思っているのか」がわからなくなっていたのです。
こうしたケースは、特に“社会性が高い人”ほど起こりやすい。
周囲に合わせることが得意で、適応力がある人ほど、“自分の声”より“外の正解”を優先してしまうからです。
心理学では、人の内面は「単一の自我」ではなく、「”複数の自分”が存在する多重構造」だと言われることがあります。
たとえば、
・やる気に満ちた「前向きな自分」
・傷つきやすくて動けない「弱気な自分」
・他人の評価ばかり気にする「承認欲求の自分」
・親の期待に応えようとする「義務感の自分」
・本当は何もしたくない「休みたい自分」
こうした“いくつもの声”が、あなたの中で日々会話しているのです。
しかし、私たちはそれを「全部、ひとつの自分の声」として受け取ってしまいがち。
その結果、自分の中で矛盾が起きているときに混乱して、「結局、自分はどうしたいのかがわからない」と感じてしまいます。
よく、「本当の自分って何だろう?」という問いがあります。
でも私は、この問いに対してこう答えたくなります。
「“本当の自分”は、たったひとつじゃない。いくつかの“自分の側面”が共存している状態こそ自然だ」
と。
その“複数の自分たち”と丁寧に対話すること。
どの声も無視せずに、優しく耳を傾けてあげること。
それこそが、「自分をわかっていく」というプロセスなのだと思います。
では、どうすれば自分のことを“わかる”ようになれるのでしょうか?
難しく考える必要はありません。
私がよく使う、「自分のことを理解するための、シンプルな3つの問い」をシェアします。
最近、自分が嬉しかったことは?
最近、自分がモヤッとしたことは?
そのとき、なぜそう感じたと思う?
この3つの問いに、毎日1〜2行でも書いてみるだけで、自分の感情の傾向や価値観が見えてきます。
人は主に、「感情」によって自分の軸を知っていきます。
だからこそ、答えを急ぐのではなく、“感じていること”に素直になる時間を大切にすることが、自己理解の第一歩になるのです。
「自分のことは自分が一番わからない」という言葉には、“他人のフィードバックのほうが自分を映している”という意味も含まれていると思います。
たしかに、自分では当たり前すぎて気づかない長所も、他人の視点から言われて、はじめて腑に落ちることがあります。
だからこそ、自分だけで完結させようとせず、ときには信頼できる人に、こう聞いてみるのもいいのです。
「私って、どんなときに“らしい”と思う?」
「私のいいところって、どこだと思う?」
そこに、あなたが見落としていた自分の姿が、浮かび上がってくることもあります。
最後に。
「人は、自分のことが一番わからない」
この言葉は、たしかに“そのまま放っておけば”正しいかもしれません。
でも逆に言えば、
『ちゃんと向き合っていれば、少しずつ自分のことはわかるようになる』
とも言えるはずです。
すぐに答えは出ないかもしれない。
でも、丁寧に問いを立て、自分の中の声を聞き、感情に耳を傾け、人との関係の中で受け取った言葉を忘れずにいること。
そうやって、日々の中で“わかろうとし続ける姿勢”こそが、自分と信頼関係を結ぶ最良の道だと思うのです。
「私は、私のことをちゃんとわかってあげたい」
そんな気持ちを持ち続けている限り、人は決して“わからないまま”にはならないのだと思います。
それでは、今回はこの辺で。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
P.S.

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