勝平得之の伝記本を読んで(2023.07.18)
昭和の時代に活躍した秋田の版画家・勝平得之の伝記本を読んだ。
東北出身の創作者というのは、まず例外無く地方を飛び出し、都会を生活拠点とする人ばかりだ。
何故そうなるかという点に、私見があるのだが本題から反れるので割愛する。
しかし勝平得之だけは全くの例外であり、生涯秋田から居を移す事無く、郷土の風景を刻み続けた人物。
初めて氏の版画を見たのは、東京駅近くの美術館だったが、「雪景」の美しさに私は一目で心を奪われた。
私自身も強く思うが、やはり秋田が一番秋田然としてるのは冬なのである。
冬を基準として、全ての生活基盤が成り立っているのである。
私は飛び出した側の人間として、土地にへばりついて創作する人間は言葉に現し難い畏敬の念を持つ。
勝平得之の版画からは、純然たる郷土愛を強く感じる。
私の作品も郷土性が強いと言われるが、氏の作品とは完全に角度が違うのだ。
恐らく、郷土の見方が違ってるんだと思う。
どちらが良い悪いという話では無い。
角度は違えど、郷土に向き合った先達者として、氏の絵は分かり味が深い。
勝平得之の版画作品は東京では中々目にする機会が無いので、今後帰省した際に地元美術館などで実見したい。
既に影響を受けているし、掘り下げて行く事でまた私の何かが変わっていくだろう。
