負けヒロイン9話
全国への切符をかけたインターハイ予選。
大会直前の会場は、極限の緊張感と熱気に包まれている。
張り詰めた空気の中、"キュッキュッ"と鳴るシューズの音や、選手たちの掛け声が会場全体で響く。
そんな中、◯◯たちもアップをしていた。
"キュッ キュッ シュッ スパッ!"
圭「よしっ!ちょっと休憩しようか!」
「はい!」
◯「監督!ちょっと外の空気吸ってきます!」
監督「遅れるなよ。」
◯「はい!」
…………
◯◯は外の空気を吸いに会場を出た。
さく「あっ!◯◯!」
◯「おう。あれ和は?」
さく「もうちょっとで着くってさ。」
◯「そっか」
さく「頑張ってね!」
◯「おう!」
さく「あっ!待って…これ!」
そう言ってさくらはお弁当を手渡した。
◯「弁当作ってくれたの?」
さく「うん…ちょっとでも力になれたらな〜って思って。」
◯「ありがとう!じゃあ!」
さく「うん!」
…………
インターハイ予選が幕を開けた。
◯◯たちはキャプテンの圭やエースの真司の活躍もあり、危なげなく勝ち進んだ。
◯◯も復帰戦とは感じさせないようなプレーで得点を量産した。
顧問「次は決勝戦だ。決勝の相手は去年負けた乃木坂西高校。勝ちに行くぞ。」
「はい!」
圭「よっしゃー!やるぞみんなー!」
顧問「◯◯、ちょっといいか。」
◯「はい。」
顧問「お前は体を慣れさせる意味もあって決勝までにかなり出場させてしまった。正直…去年のこともあるから決勝はベンチからだ。」
◯「…分かりました!」
顧問「ただ…間違いなく決勝のキーマンはお前だ。頼んだぞ◯◯。」
◯「そんなこと言われたら……超気合い入っちゃうじゃないですか笑。」
ピーーーーッッッ!
決勝戦の火蓋が切られた。
さく「ほら!和ちゃん早く早く!決勝戦始まっちゃうよ!」
和「よいしょ!セーフ……」

さく「和ちゃんってちょっとおっちょこちょいな一面あるよね笑。」
和「か…からかわないでください!…あ…あれ?◯◯がベンチにいる……。」
さく「ん〜去年の怪我のこともあるし疲労も考えて一旦様子見かもね。」
和「……なるほど。」
………
キュッと鳴るはずのシューズの音が、どこか重く響く。
電光掲示板に表示されたスコアは34-47
第2クォーターが終わり、チームは13点ビハインドで前半を折り返した。
真司「すまん◯◯。思ったより相手のインサイドが固くて崩せない。」
咲月「はい!まずは水飲んで!」
真司「おう。ありがとう。」
◯「インサイドがだめならアウトサイドから俺が崩すよ。」
監督「◯◯、行けるか?」
◯「はい。」
圭「無理はするなよ。」
◯「分かってます。」
咲月「頑張ってね◯◯。」
◯「おう。」
◯◯はバッシュの紐を結びコートに向かう。
??「久しぶり◯◯くん。」
◯「去年の決勝ぶりだな。如月。」
如月晴(きさらぎ はる)
乃木坂西高校の2年生エース。
如月「怪我はもう大丈夫なの?」
◯「あぁ。絶好調だよ。」
如月「へへっ笑。それは楽しみだ。」
第3Qが始まった。
圭「◯◯!」
”ガシッ”
”シュッ スパッ!”
◯「もう一本!」
咲月「っし!ナイシュー◯◯!」
◯◯が立て続けに3ptで点差を縮めていく。
またアウトサイドで◯◯がボールを受ける。
◯「…。」
咲月「◯◯にダブルチームでディフェンスだ…。」
真司「ここからが…本当の◯◯の真骨頂だ。」
咲月「え?」
真司「◯◯の武器は3ptだけじゃない。」
"ダンッ ダンッ シュッ”
”ガシッ シュッ スパッ!”
「ナイスパス◯◯!」
真司「怪我でハンドリングの技術は少し落ちたかもしれないが、PGの時から磨き続けられた、視野の広さとパスセンスは…あの頃よりずっとレベルが上ってる。」
咲月「◯◯……。」
真司「監督が◯◯をコンバートさせたのも納得ができるよな。」
第3Qの終わりを告げるブザーが鳴る。
スコアは65-70
同点まで残り5点差まで詰め寄った。
◯「っし!」
咲月「ナイス◯◯!はい水!」
◯「おう。せんきゅ。」
続く……。
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「負けヒロイン」の9話です!
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