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58歳からの新規就農というテーマ

札幌で援農ボランティアの団体「援農おやつ部」を主宰しているマツモトです。
今年の3月、援農おやつ部に神奈川の方からお問い合わせがありました。

58歳ですが3月末に早期退職します。今後は北海道での新規就農を考えており、援農おやつ部で活動に参加して、色々農業を見てみたいと思います。

という趣旨のメッセージで、こちらのnoteを見て、援農ボランティアに絡んだ余白のようなものにピンと来たとのこと…。そして、4月上旬に3日ほど札幌に滞在するとのことで、ちょうど農家さんもまだ農作業が忙しくない時期であり、お世話になっている農家さん2軒へ、一緒に見学訪問に行ったのでした。この記事はそのレポートです。

58歳からの新規就農計画

この方をAさんとして、Aさんは農業未経験ではありますが、仕事で農家さんに接する機会が多く、また制度にも詳しいというアドバンテージをお持ちです。なぜ農業を志すようになったのか、ここでは割愛させていただいて…

北海道での新規就農の選択肢は既にいろいろ調べていらっしゃり、いろんな要素を考えて、今のところは浦河町での夏イチゴ栽培が第一候補となっているようでした。

その経緯なので、見学にはイチゴを含めた果樹をされている札幌果実庭園さんをひとつめにチョイスしました!どちらも私が援農先としてお世話になっている農家さんです。

札幌果実庭園さん

せっかくなのでお手伝いもします~!と言っていたものの、まだ園内は雪が残っており、できるお手伝いは冬囲いを外すことのみ…。30分もかからず終了(笑)。残り時間、近くの豊平川を散策したり、のんびりおしゃべりしたのでした。

札幌果実庭園さんは観光農園であり、栽培するイチゴは全て「イチゴ狩り」用なので、イチゴは甘くて食味のよい品種を数種類栽培しています。対して浦河町での夏イチゴは、「すずあかね」という品種で、ケーキ用として主に本州に出荷されます。

観光農園の収入源はお客さんの入園・体験料になりますが、浦河町で就農して夏イチゴを作る場合、農協に出荷して買い取ってもらう形が基本のようです。
苗は農協から購入し、収穫まですれば、選別も共同選果場でやってくれるので農作業の労力自体はかなりコンパクトな形です。(やってくれると言っても、手数料は発生するのですが)この場合、収入を上げるには「量が勝負」(あと形)ということになります。

ちなみに、新規就農といえば初期投資がかかる!というハードルがありますが、浦河町の夏イチゴはビニールハウスもリースで使えるのだそう。とにかく、町として夏イチゴを盛り上げるべく、新規就農者に対するフォローが手厚い…という印象でした。窓口になった関係者の方の対応が、親身にウエルカムの姿勢だったのも印象が良かった、と語っておりました。

「この歳で農業も未経験ですから、素人でも易しく作れるものがいいかと思う」と、かなりリアリティのある発言…。
確かにこの浦河町の新規就農パッケージは、農業で生計を立てると考えると限りなく敷居を下げているように思えます。ただ人によっては、自分で決められる裁量が少なく、不自由さを感じるかもしれません。あとは、本人が何を望むか優先するかという事になるのでしょうか。

イチゴの栽培に関してもAさんから色々質問があり、土耕栽培と高設栽培ではどんなメリットやデメリットを現場では感じるか、話を聞くと参考になる部分があるようでした。

そしておふたりが話していたのは、設備の規模×生産量×労働力のバランス。この人数でこのくらい手が回るだろう→設備の規模とかかる経費の算定→生産量を想定し、経営的に成り立つのかを検討する。
この辺りの栽培計画の話は、やってみないとわからない事も含まれるので、新規就農は起業と同じで、本当にすごい覚悟だなあといつも私は思わされます。

焼きおにぎり、美味しかった

お昼には焼きおにぎりを焼いて、三人でいただきました。札幌果実庭園の戸田さん、焼きオニギリが好物だったらしくて、喜ばれたので良かったです♪

プリムール北海道さん

次にお邪魔したのは、プリムール北海道さん。こちらは安田さんという男性が札幌南区でおひとりで多品目栽培されており、Aさんとは年齢的に同世代ということがあってお連れしてみました。

トマトの育苗中

安田さんは横浜に住んでいたこともあり、共通の地元の話から、農業の話、行政との絡み(ここがわんさかw)、法人か個人事業主か、長い時間軸で見たときの農業と人生の考え方・・・などなど・・・

全く話は尽きずという感じで、密な時間を過ごすことができました。

ひとくちに日本の農業といっても、その地域ごとに事情はかなり異なります。ちょっと市や町、村をひとつまたぐと、役所の農業に対する考え方や熱量が全然違っていたり(JAも然り)、地域の生産者さんのカラーだったり、その地域の特産品と消費者との関係性など、かなり多様なものです。就農するとなると、その土地や農業関係者とは運命を共にするようなものなので、多角的に判断して決めるのが望ましいのだと思われます。

Aさんと安田さんは情報交換のような形で、あれこれと実情を話したり見解を伝える間に、解像度がお互いに上がっていくような交流だったと感じます。

近所のハンターさんからもらった鹿肉で作ったというハム!!

安田さんは焙煎もされており、美味しい珈琲をいただいたのですが写真を失念…。食への造詣も深く、いわゆる「農的な暮らし」の実践者であるため、Aさんが援農において注目した「余白」というキーワードにも合致すると感じたのでした。

1日終えて、Aさんは「濃い1日を過ごすことができました」とのことで大変満足された様子でした。わたしも、援農という切り口とは違う話を農家さんから色々聞くことができて、大変参考になりました。

私がやっているのは援農という形のコーディネート業なので、いつものような生産者と一般市民を結ぶというだけでなく、農業を志す方をバックアップするような事もやりがいがあって大変いいなと思いました。
Aさん、お世話になった戸田さんと安田さん、ありがとうございました。


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