絶対関わるな! 怖いトモダチ
ハキハキしていてリーダーシップがあり、勉強もスポーツもできて、おまけにとびっきり可愛い。
そんな人気者の女友達の家に行ったら、母親に暴言を吐いていてびっくりしたことがある。
家族の前、恋人の前、兄弟姉妹の間、学校サークル、職場、習い事、ママ友、趣味友…
あなたは友達の「他人の前での顔」を、どれだけ知っていますか?
そのどれが「本当の顔」だと思いますか?
友達の「本当の顔」を、あなたはどれだけ知っていますか?
人には色々な顔がある
怖いトモダチ。
タイトルと帯を見て、うわー読みたい!とあっという間に購入してしまったこちらの本。
どうやら「私」は、ある人物について調べている様子。
ある人物=「中井ルミン」のオンラインサロンに参加しているママ友との話から始まる。
別のママ友からも「中井ルミン」の話を聞き、「中井ルミン」オンラインサロンの説明、元サロン会員の話、学生時代の友人たちとの話、サークル時代の同僚の話…
というように、主人公が「中井ルミン」に関係するさまざまなコミュニティの人たちから話を聞いたり調べているのを、読者が追体験するような形で物語が進んでいく。
「中井ルミン」のことはもちろん「私」の紹介もないままに話はどんどん進んでいく。
「私」が何者なのか「中井ルミン」が何者なのか、2本の大きな謎の軸が様々な人々との会話の中であらゆる姿を描き出す。
何を書いてもネタバレになってしまうので詳しくは書けないのだけれど、二人の姿が鮮明になっていく過程がとても面白くて、あっという間に読んでしまった。
人には、その人が関わるコミュニティの数だけ顔がある。
そのどれが「本当の」顔なのか。
思いもよらず、「私自身はどんな風に人から見られているんだろう」と己を振り返ることにもなった。
立場、集団に合わせて求められる・適切な顔を付け替えて生きていく、そんな人がほとんどだろう。
では、そのどれが本当の自分なのだろう。
その全てが本当の自分の姿なのだろうか?
本当に?
こんな友達がいたら、すぐ逃げろ!
作品の参考文献を見て思ったのは、世の中にはこんな考えをした人間が実は結構いて、この物語に近い経験をしている人が結構いるのだろうな、ということ。
思い返してみると、「私」に近い経験をしている知人がいた。
大変苦労していた。
もし当時の自分に会えるのであれば、早く逃げろ!と言ってあげたい、そんな友人関係の苦労は、自分自身も経験したことがある。
みんなと仲良く。
どんな時も助け合って。
子供の頃はそう教えられて、クラスのみんなと、学年のみんなと、学校のみんなと、仲良く大きな友達の輪を作ることが正解だと思っていた。
けれど大人になるにつれ、世の中は綺麗事ばかりではないのだと気付いていく。
とても親切だと思った友達が、実は別な友人をいじめていたり。
仲の良い関係だと思っていたが、よくよく振り返ってみると相手の話を聞くばかりで、自分の話はほとんど聞いてもらっていないことに気付いたり。
噂話ばかりする友人。
マイナスのことばかり言う友人。
約束を守ってくれない友人。
自分の思い通りにならないと不機嫌になる友人。
マウントをとってくる友人。
なんだか怖い友人。
そんなトモダチからは、すぐに逃げろ!
いま目の前にいる友人は、どの顔をした友人なのだろうか。
その人の本当の姿を、私はどれだけ知っているのだろうか。
本当は怖いトモダチだったりしない?
やまもとりえさんによる、漫画版もあるみたい。
表紙の可愛さが、もう怖い。
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